ソフトバンクロボティクスは、同社が開発、販売しているAI清掃ロボット「Whiz」(ウィズ)によって、床面の新型コロナウイルス量が削減できると実証したことを発表した。第三者機関が調査した結果に基づくもの。
この結果を受けて同社は、「Whiz」のオプションサービスとして、床清掃と同時に立面や接触部の消毒作業も可能にする「除菌ソリューション β版」を2020年6月中旬以降に提供開始する。
「Whiz」の清掃で床面の新型コロナウイルスが大幅に減少
ソフトバンクロボティクスは、東京都江戸川区・江戸川保健所の協力の下、新型コロナウイルス感染症軽症患者の受け入れを行っている施設で、バイオメディカルサイエンス研究会(以下、BMSA)に依頼して調査を実施した。「Whiz」による新型コロナウイルス量の削減効果を確認するため。
新型コロナウィルスの全貌はまだ明らかになっていないが、以前よりウィルスは床面に溜まりやすく、床面の清掃はホコリだけでなく、ウィルス除去にもある程度の効果があるという説があった。今回の実証では「Whiz」の清掃前後で床面の細菌量は大幅に減少したこと、新型コロナウイルスもPCR検査でわずかに検出されたものの、同じく大幅に減少することが確認できたとしている。この結果は人が歩くことで細菌やウイルスが飛散しやすい床面を清掃する「Whiz」の効果がウィルス除去に対してある程度の有効性が確認されたことになる。
■新型コロナウイルス量の測定結果
新型コロナウイルス感染症の軽症患者受け入れ施設における「Whiz」および薬剤スプレーを用いた立面、接触部消毒実施前後の付着菌検査(一般細菌・真菌)、新型コロナウイルスPCR検査
・調査日:4月25日、5月8日
・調査パターン
1.清掃前
2.「Whiz」による清掃後
3.「Whiz」による清掃と薬剤による立面・接触部消毒の同時実施後
「Whiz」の清掃前後で床面の細菌量は大幅に減少し、新型コロナウイルスもPCR検査でわずかに検出されたものの、同じく大幅に減少することが実証された。また、「Whiz」と薬剤用スプレーを組み合わせ、薬剤で壁やドアノブなどを消毒しながら床の清掃を行った場合の新型コロナウイルス量の削減効果も調査を行った。
この清掃前後で、接触部に付着した新型コロナウイルスはPCR検査においても検出されないレベルまで削減できた。この場合、「Whiz」は自動で継続的に移動し、薬剤を補いながら消毒を行うため、床面だけでなく、壁やドアノブなどといった接触部も効果的に消毒することが可能になったと考えられる。
薬剤用スプレーはアイリスオーヤマ社製 IR-N5000を使用
薬剤はエコラボ社製除菌・消臭剤「アクア・デオ プラス」を使用
この結果を受け、ソフトバンクロボティクスは秋以降に提供予定だった新オプションサービス「除菌ソリューション」の提供予定時期を大幅に早め、「除菌ソリューション β版」として、6月中旬以降に提供開始する。費用は1施設あたり80,000円(税抜)。申し込んだ法人には薬剤用スプレーを無償提供し、薬剤用スプレーのセットアップと消毒ルートの作成もサポートする。
またソフトバンクロボティクスは、BMSAや公益財団法人国際医療財団、公益社団法人日本ペストコントロール協会など感染症対策の専門機関に監修を依頼し、東京都江戸川区・江戸川保健所の協力の下、「新型コロナウイルス軽症者受け入れ施設向け 清掃ガイドライン」を作成した。
ソフトバンクロボティクスは、新型コロナウイルス対策にも有効性が確認された「Whiz」で、高度な清掃が必要な多くの施設でも感染拡大リスク削減に貢献することを目指す。