自律・協調制御や遠隔操縦、自動運転のロードローラ開発が進む 土木作業・建築現場の業界標準を目指すASCSプロジェクト

JIG-SAW株式会社と酒井重工業株式会社が共同で取り組む「Auto-Drive Synchronized Control System(略称、ASCS) for Compaction Equipment」プロジェクトは建築、土木の作業現場において地面を固める締固め工程で用いられる「締固め機械」に関する自律・協調制御並びにこれらの自動操縦等の機能を実用搭載する業界標準機の開発を目的としている。

JIG-SAWは「ASCS for Compaction Equipment」プロジェクトに株式会社安藤・間(ハザマ)の参画が決定したことを発表した。

同プロジェクトではすでに株式会社大林組が協力し、総務省の5G実証実験にも参加・成功している。今後も引き続き、プロジェクトへの参画を通じてその機能拡張や実用化に向けた取り組みを強化していくとしている。


締固め工程はi-Construction分野における盛土等の土木構造物に求められる品質(剛性・密度等)に重大に影響する


業界標準機の開発を目指すASCSプロジェクト

JIG-SAWと酒井重工業は2015年より共同でロードローラ向けの自律走行・操縦システムの共同研究開発及び実証を継続して実施してきた。これは酒井重工業の建機(ロードローラ)とJIG-SAWが開発する自律走行・操縦ソフトウェアを連携稼働させるもので、実用化・製品化を目指して取り組んできた。研究開発及びテスト等のプロセスを経て、2019年内に実際の走行・稼働を実現場で実証することが可能なレベルとなり、同一現場において使用される他の締固め機械、及び他の建機類との協調制御機能についての開発もあわせて研究開発を開始。

熟練オペレーター並みの精度で走行

これらを踏まえ、業界標準機を開発するという位置づけを明確にし、より広い範囲で関連業界各社との連携を目指し、JIG-SAWと酒井重工業の共同開発を2019年6月に自動操縦プロジェクト「ASCS」の一環として、締固め機械向けに「ASCSfor Compaction Equipment」を正式な共同開発プロジェクトとする覚書調印をしている。また、他の締固め機械及び他の建機類との協調制御機能についての開発も開始し、より実用化に近づいている。

プロジェクトは今後もより広範囲での共同体としての展開を予定している。なお、同プロジェクトではすでに大林組に協力し、総務省の5G実証実験にも参加・成功している。



今後の重点的な取り組み



自律走行

転圧管理システムと連携しリアルタイムに締固め状況(独自の加速度応答法CCVの適用による)と転圧回数を把握し締固め作業を自動制御。また、複数車両での協調制御により複数ローラを同時施工させて工期短縮を図る異種重機と連携した施工を実施。


リモートコントロール

車両外から手動での遠隔操縦を実現


IoT

稼働管理に必要な車両情報の収集。IoTにより収集した車両データの管理・活用。


管理コンソール

エンドユーザ向けにクラウド上に管理コンソールを用意・施工経路データ作成及び管理、車両への配信。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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