埼工大 羽田空港地域で自動運転バスの実証実験 高精度3次元地図や磁気マーカーなど活用 内閣府SIPに2期連続参加は私立大学で唯一

埼玉工業大学(略称、埼工大)は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転」(システムとサービスの拡張)の実証実験の参加機関として、東京臨海部実証実験の羽田空港地域における実証実験を開始したことを発表した。
(上の画像は羽田空港地域での埼玉工業大学の実証実験の様子)

SIP第2期「自動運転」では東京臨海部実証実験として、羽田空港地域で自動運転技術を活用した次世代公共交通システムの実現に向けた実証実験等が行われている。

埼工大は新型コロナウイルスの感染防止のため自粛していた実証実験を羽田空港地域で自動運転バスにより随時実施していく。なお、SIPに2期連続参加するのは私立大学で埼工大のみ。


高精度3次元地図等を利用した実証実験が開始

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転」(システムとサービスの拡張)は安全で快適な自動運転社会の実現を目指し、2019年10月15日より開始。東京臨海部において一般道の交通インフラからの信号情報や高速道路の合流支援情報等を活用したインフラ協調型の自動運転の実証実験に国内外の自動車メーカー、自動車部品メーカー、大学等28機関が参加している。

2020年6月5日以降には羽田空港第3ターミナルビルと羽田空港跡地第1ゾーンを結ぶ公道の実環境下において、磁気マーカー、ITS無線路側機を活用した公共車両優先システム(PTPS:Public Transportation Priority Systems)及び信号情報提供、高精度3次元地図等を利用した実証実験が開始した。


埼工大は29の参加機関として臨海副都心地域、羽田空港地域などの実証実験を行う


自動運転バスはマイクロバス「リエッセⅡ」ベース

埼工大の自動運転バスは2019年8月に開発したマイクロバス「リエッセⅡ」ベースにしたもの。仕様は24人乗りの4000ccディーゼル車。大きさは625×203×261、重量は4.7t。AIPilot/Autowareで自動運転可能な実証実験の試験車両となっている。埼工大の自動運転バスは、埼玉県が将来の事業化を目指して行うスマートモビリティの実証を支援する「埼玉県スマートモビリティ実証補助金」として2019年度に採択されている。


私立大学では唯一2期連続参加

埼工大は戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「自動走行システム」/大規模実証実験」に2017年10月より参加。

SIP第1期ではトヨタのプリウス・ベースのSAIKOカーでお台場地域での実証実験に参加。第2期は2019年8月に新たに開発したマイクロバス「リエッセⅡ」ベースにした自動運転バスを中心に参加していく。また、埼工大は自動運転技術開発センターを2019年4月に設立し、全国の公道における実証実験に多数参加してきた経験を活かしてSIP第2期のより高度な課題に大学として取り組んでいく。

埼工大は産学官連携により自動運転の研究・開発を積極的に推進していくとしている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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