東芝の「疾病リスク予測AIサービス」はAIが健康診断結果から6年先の生活習慣病の発症リスクまで予測する
東芝と東芝デジタルソリューションズは、健康診断結果から生活習慣病発症のリスクを6年先まで予測する疾病リスク予測AIサービスの提供を7月13日から開始したことを発表した。
疾病リスク予測AIは東芝グループとSOMPOホールディングスが共同開発したもの。今回提供開始する疾病リスク予測AIサービスでは1年分の健康診断データから、糖尿病・高血圧症・肥満症・脂質異常症・肝機能障害・腎機能障害の6つの生活習慣病リスクについて、6年先までの予測結果を提供する。東芝グループはヘルスケアサービス企業をはじめ、多くの企業と連携し、同サービスの活用を進めていく。(冒頭の画像は「疾病リスク予測」(東芝ホームページ「東芝AI技術カタログ」より))
SOMPOひまわり生命保険が「疾病リスク予測AIサービス」を採用
SOMPOひまわり生命保険は本日からサービスを開始する「Linkx 健康トライ」の機能の1つとして同サービスを採用。契約者は自身の予測結果をスマートフォンのアプリから参照し、日々の健康改善活動に役立てることができる。
SOMPOひまわり生命保険はこれらの他にも、企業、健保、自治体など団体の予測結果を分析し、健康経営や地域住民の健康増進の推進に活用する検討も進めている。これにより利用者は将来にわたり高い精度でのリスクの可視化が可能となり、利用者自身の健康意識の改革、生活習慣の改善につなげることで、健康増進に役立てることができる。
新型コロナウイルスにより生活習慣病予防の重要性が高まっている
生活習慣病は医療費の増大や企業における従業員の生産性低下などにつながることから、近年、個々人が自身の生活習慣の改善や健康増進を図り生活習慣病を予防することを目的に、発症リスクの把握に対するニーズが高まっている。さらに、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子に糖尿病、高血圧、肥満、慢性腎臓病などが挙げられ(厚生労働省)、生活習慣病の予防や改善に対する重要性が増してきている。
そのような中で東芝グループは、産業分野で培ってきたAI・ビッグデータ解析技術や、国内外の大学などと共同研究してきたヘルスケアデータマイニング技術を応用して疾病リスク予測AIを開発。疾病リスク予測AIは研究協力機関などの匿名化した大規模な健康診断データを用いた学習と独自手法による最適化により、6年先までの糖尿病発症リスク予測で90%以上の精度を達成している。
リゾートトラスト株式会社のグループ会社が運営支援する医療法人社団ミッドタウンクリニックでは、人間ドック受診後の面談時に同AIを用いた予測結果レポートを提示することで、生活改善指導に活用している。このような実績をふまえて、今回、AIをサービス化するに至った。
今後は、糖尿病性腎症重症化予防や心疾患などへのAI活用を進める
今後、東芝グループは疾病リスク予測AIに加え、糖尿病性腎症重症化予防、心疾患などへのAI活用を進め、食生活や運動習慣改善などの行動変容を促すためのソリューション開発を進めていく。また、業界の垣根を超えた新たなパートナーとの連携やヘルスケアデータを活用した新規事業創出にも取り組んでいくとしている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。