ロボットプラットフォームを提供するスピーシーズ株式会社は、ロボットアイドル創作プラットフォーム「MOFI7-Cute」の受注を2020年8月1日から開始することを発表した(第一ロットは限定20台)。
「MOFI7-Cute」はオリジナルのロボットアイドルを創作するためのプラットフォーム。20の自由度を持つ骨格で構成され身長は約40cm。CPUにRaspberryPi3基板を実装(LINUX搭載)し、外部PCでプログラミングして制御することが可能。個人が動き(モーション)やセリフ・音楽、スキン、お化粧、服装、プログラミングなどのロボットに関わる各種のコンテンツを自由に創作して楽しむことができる。プログラミングにはアニメーション制作ソフト「MMD」などが利用できる。
独自のキャラクターとして生成して個人で楽しめるほか、様々なアートやコンテンツ、イベント、アミューズメント、店舗、ビジネスシーンなどで利用客に感情を伝えるためのアバターとしても活用できる(技術仕様は最後に記載)。
MOFI7-Cuteは骨格にスキンが被った状態の素体完成体が提供される。価格はオリジナルスキン開発用の3D CADデータやMMD用のモデルデータとサンプルモーションが付属し、30万円(税抜)。スピーシーズはMOFI7-Cuteの各種カスタマイズ制作を受け付ける他、各種のビジネスパートナーも募集する。
基本システム:30万円(税抜)
・素体完成体:骨格にスキンが被った状態の動作完成体。頭部も付属。(スキンの塗装、顔の塗装とお化粧、ウィッグ、服は含まれない。)
・外部制御IF(LANのソケット通信による)を提供
・オリジナルスキン開発用の3D CADデータ(スキンを骨格に固定するための位置情報含む)
・MOFI-OS ver. 4.0
・MMD用のモデルデータとサンプルモーション
外装セット:5万円(税抜)
外装セット:スキンの塗装、顔のお化粧、服装、ウィッグ(ビデオと同等品)
大型アクリルケース:5万円(税抜)
展示の際に観覧者の手が触れることが無い様にするためのケース。音がさらに静かになる。
・その他オプション品:価格未定
・アクリルケース(小型ステージタイプ:音が静かになる。)
・アクリル製ステージ板(透明または数色)
・ステーカバー(ナイロン製:白)
ロボットアイドルを創作するためのプラットフォーム
「MOFI7-Cute」は例えば、アニメーション制作ソフト「MMD」(MikuMikuDnace)をつかってロボットの仕草や、セリフを制作したり、音楽と同期させてダンスさせたりといった楽しみ方や、服やウィッグを着せ変えたり、顔のお化粧を変えたり、肌の色を変えたりといった創作が可能。技術のある人であれば、3DCADを使ってオリジナルのスキン(フィギュアー的な外装)を制作したり、外部PCなどを使ってプログラミングして動作を制御することも可能。
MMDでモーションを制作するために必要なモデルデータとサンプルとなるモーションが付属するため、それを修正することでオリジナルモーションの制作に手軽に取り組める。また、外部からソケット通信でロボットの動作制御をするためのIF仕様と、基本となるスキンの3D CADのデータも提供される。
【ダンス動画】
■素体完成体
■スキン、顔の塗装とお化粧、ウィッグ、服の装着後
技術的背景
ロボット技術を応用してフィギュアーなどのキャラクター商品を静かに動かすことができれば、大きな市場となることは多くの人が論じている。しかし、ボディー内にサーボモーターを内蔵する従来型のロボットの構造ではサーボモーターの大きさと重さ、モーターの発する音がネックで“真の動くフィギュアー”は実現できなかった。2014年7月にスピーシーズはスリムでキュートなキャラクターを静かに且つ滑らかに動かすことができる独自の特許技術(Motion Figure System:特許第5858556号)を応用した、『モーションフィギュアー:MF201』を発表。MF201は人形部の各関節を特殊なワイヤー駆動方式で駆動し、駆動力を発生するサーボモーターや制御用のCPUは下部に設けられた「からくりユニット」内に収納することで、スリムな外観と静かな動作音を兼ね備えた真のモーションフィギュアー。
今回、関節数や駆動方法の見直しを行い生産性やメンテナンス性を改善したハードウェアと各種ソフトウェアや開発インターフェースなども提供する、ロボットアイドル創作用のプラットフォームとして『MOFI7-Cute』を販売する。
『MOFI7-Cute』の技術仕様は以下の通り。
『MOFI7-Cute』の技術仕様
製品カテゴリー | ロボットアイドル創作プラットフォーム『MOFI7-Cute』 |
---|---|
フィギュアー身長 | 約40cm |
外形寸法(おおよそ) | W40cm×D32cm×H55cm(手を下げた状態) |
外装(スキン) | 軟質樹脂 |
関節自由度 | 20自由度(・頭部3軸(水平旋回、左右傾き、前後傾き)・腕3軸×2本(肩回転、肩開き、肘)・足3軸×2本(もも前後、もも開き、膝)・体幹4軸・腰(水平旋回、左右傾き、前後傾き)・上半身(左右傾き)・ステー部 1軸(上下)) |
駆動方式 | 多関節回転力伝達方式(リモートモーター:特許取得済み) |
関節可動範囲 | 最大200度程度(部位による) |
ホストとの接続 | Wi-Fi、LANなど |
その他 | MOFI-OS ver.4.0搭載(LINUXベース:PC、スマホからWebブラウザーにて操作可能)、MikuMikuDanceにてモーション作成(.pmx、.vmdファイル利用) |
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。