スポーツ小売業で全国展開している株式会社アルペンは、2020年8月6日、村田機械株式会社の3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT(アルファボット)」を物流の主要拠点であるアルペン小牧ディストリビューションセンター(小牧DC)内に導入することを決定、同年7月22日付で工事契約を締結したことを発表した。稼働は2021年7月を予定しており、同システムが関わる物流業務の保管補充、ピッキング、仕分け、梱包の工程において約6割の業務削減を目指している。
3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT」の導入背景
商品を管理する物流業界においては、新型コロナウイルスの影響により、非接触志向からEC利用率が増えたことで物流需要が増加し、現場での人手不足が深刻化しつつある。さらに、物流センター内においては従業員による密の回避が必要とされ、新生活様式に合わせ、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進した新たな物流体制を導入していくことが求められている。
そうした中、スポーツ小売業界において全国に店舗を展開しているアルペングループでは、強固で効率的な物流体制を作り、多様化するユーザーのニーズに継続して応えていくため、これまでの物流体制を一新した新物流戦略を進めていくこととし、第一弾として、日本初となる3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT」を愛知県小牧市の小牧DCへの導入を決定した。
今後、様々な物流拠点への導入も検討しており、納品時の仕分け作業を軽減し、店舗における業務効率化も進めていくと述べている。
同グループ会社の新物流戦略
スポーツ用品だけではなく、アパレルやシューズ、関連アクセサリ類など4つの販売チャネルをもつアルペングループの新物流戦略では、それぞれの販売チャンネルに対して様々なカテゴリの商品を迅速かつ効率的に供給するため、物流システムを再構築するとともに、カテゴリ別に物流網を整流化し、3項目を実現していく。
▼ 3項目の実現
1, | 店舗までの供給リードタイムの大幅短縮化の実現 |
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2, | 売場/ブランド別梱包納品による店舗品出しまでの作業簡素化 |
3, | 出荷物量コントロールによる庫内作業人数および配送の最適化 |
同システム導入効果として、6割の業務削減を目標
新物流戦略の第一弾では、フィットネス用品やサポーターなど比較的小さいアイテムに特化した物流拠点として小牧DCへ3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT」の導入を行い、刷新する。今回の導入により「取扱商品を拡充」「生産性の向上と作業の非熟練化の実現」「ヒューマンエラーの削減と仕分け・出荷効率の向上」が期待できることより、物流業務の保管補充、ピッキング、仕分け、梱包の工程において約6割の業務削減を目指す。
▼ 業務軽減のポイント
1, | 従来の平置き倉庫から空間使用効率の高い立体保管に変更し、取扱商品を拡充 |
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2, | 作業者の探す・歩く手間を削減し、生産性の向上と作業の非熟練化を実現 |
3, | ピッキングから仕分梱包までをワンプロセスで行い、ヒューマンエラーの削減、仕分け・出荷効率の向上 |
ALPHABOTについて
今回、日本初の導入となるALPHABOTは、村田機械が2019年に戦略的パートナーシップを締結した米国の物流ロボットメーカー・Alert Innovation(アラート・イノベーション)社から技術導入した、保管からピッキングまでロボット台車で完結させたシンプルな仕組みの自動倉庫システムだ。
従来の自動倉庫とは異なり、走行・昇降機能を有するロボット台車(BOT:ボット)が、保管ラックの外も走行してピッキングポイントに商品を自動で供給するため、膨大な在庫商品からオーダー単位で商品を揃える作業者は、広大なスペースを歩行する必要がなく、定点で効率良くピッキングできる。ボットにしか駆動部がないため、システム全体のトラブルも少なく、ボットの故障時にも他のボットでリカバリー可能。システム全体を停止させず、出荷を止める必要もない。
また、3Dロボット倉庫は、商品を立体保管ラックに収納するため、AGV型ロボットより少ない床面積で大量の在庫商品に対応することが可能だ。さらに、商品格納や商品ピック時のワークステーションが併設されており、オーダー別ピックのほか、バッチ毎のトータルピックにも対応。柔軟な出荷プロセスへの対応できる。
▼ ALPHABOTシステム概要
ロボット台車 | 130台 |
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保管数 | 約26,000ケース |
設置面積 | 69m x 24m x 高さ6m |
■【動画】Alert Innovation Alphabot 2019