六甲周辺の山間部に荷物を届けるドローン配送サービスの実証実験 配送費と時間削減に SkyDriveが神戸市らと共同で

「空飛ぶクルマ」のプロセスで培った技術を活用し、重量物運搬に特化した産業用ドローンの開発を推進するSkyDriveは、ドローンを活用した配送サービスの実用化に向けて、兵庫県神戸市の協力のもと、セイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、神戸阪急、トルビズオン、成ワ薬品と共同で実証実験を実施したことを発表した。


山間部は輸送費が高くなり、配送までに時間が掛かる

ECの発展に伴い物流網も進化を続け、多くの場所で荷物がタイムリーに届くようになりつつある。しかし、場所によっては地形の問題等で輸送費が高くなってしまい配達ができない、輸送までに時間がかかる等の課題が存在している。山間部である神戸市灘区の六甲山エリアも、同様の課題を抱えている。麓エリアから山上にドローンで物資を輸送することにより、費用面・輸送時間を軽減できる可能性があると考え、山間部における日用品の自動運送の実証実験を実施。

実証実験ではカーゴドローンが荷物(小売店商品、飲食物(米飯、洋菓子)、医薬品)を抱え、兵庫県神戸市灘区鉢巻展望台~同灘区六甲山記念碑台の区間を飛行。


2020年8月6日(木)午前10時30分~午後1時に実施

次の5つについて実験を行った。

・山間部における生活必需品の自動搬送
・商品温度管理調査
・一般用医薬品(第2類)の配送
・六甲山上空おける携帯電話の有効性
・社会受容性(土地所有者、近隣住民等の理解)


カーゴドローン出発時の様子

カーゴドローンで運んだ荷物を開封する様子

今後、神戸市と各企業と連携し、山間部の居住者が手軽に小売店の日用品、医薬品、及び自治体からの必要物資を居住区で受け取れる配送サービスの実用化を目指す。また、SkyDriveは、2022年を目途に開始予定のドローンによる有人地帯での目視外飛行の実現、及びそれに向けた航空法改正を見据え、山間部だけではなく、都市部でのドローンを活用した宅配サービスの実用化を目指し、法令基準を満たした安全なドローン開発を行っていく。


各社と自治体の主な役割

セイノーHD 物流業、配送物の温度管理
SkyDrive 運搬用ドローンの提供と現地でのオペレーション
神戸阪急 運搬する飲食物の提供(米飯、洋菓子)
成ワ薬品 運搬する医薬商品の提供(第二類一般医薬品)
トルビズオン プロジェクトマネジメント、飛行ルートの地権者調整(空の道設計)
神戸市 自治体所有地の提供、地権者との調整




実証実験に対する各社のコメント

■神戸市 企画調整局つなぐラボスマートシティ担当課長 松崎太亮氏

神戸市は、先進的な技術を活用して、人間中心の目線で社会的な課題の解決を目指す「Be Smart KOBE」プロジェクトを推進しています。今回の実証実験は、本プロジェクトおよび「六甲山上スマートシティ構想(本年5月発表)」に位置付けており、民間事業者が主体となったドローンによる搬送が、物流業界の人手不足の解消や環境問題への対応、ラストワンマイル配送による感染症リスクの低減など、新たな市民サービスやビジネスモデルとして創出されることを期待します。


■セイノーホールディングス株式会社 オープンイノベーション推進室 課長 加藤徳人氏

今回の六甲山のように、輸送ハードルが高い、または非効率な地域は日本各地に点在しています。こうした地域でドローン等の新たなテクノロジーを活用したロジテック・イノベーションは、物流事業者の業務の自動化、省人化を図るなど、業務効率化への期待だけは無く、地域社会の様々な社会課題を解決し得ると考えております。SkyDrive様には、より次元の高い安全・安心のドローン輸送を実現できる機体の開発はもとより、「空飛ぶクルマ」の開発にも大きく期待しております。


■株式会社トルビズオン CEO 増本衛氏

本実証実験では「混載型ドローン配送(日用品、冷蔵品、医薬品、自治体書類等)」を達成することができ、満足しております。今までの実験結果から、sora:shareが目指す社会受容性向上のコストを含む事業モデルをペイしながら、持続可能なものとするには、混載可能な機体の導入が必須であると感じていました。空飛ぶクルマの技術を基礎とする貴社のカーゴドローンは、安全性の確保、高重量対応という点で高く評価できます。「社会に広く受容されるドローン事業モデル」を共創していくパートナーとして、今後も連携を続けさせて頂ければと思います。

関連サイト
SkyDrive

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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