音声ARプラットフォーム『Auris』プロトタイプ版 提供開始 ユーザの行動に応じてインタラクティブに音を変容

株式会社GATARIはMixed Reality音声ARプラットフォーム『Auris』(オーリス)のプロトタイプ版を一般の文化施設や観光・エンターテイメント施設向けに提供開始したことを発表した。

Mixed Realityとは
複合現実。リアル空間とデジタル空間を融合し、現実と仮想的な物事がリアルタイムで影響し合う新たな空間を構築する技術全般のこと。


Aurisについて

『Auris』(オーリス)はリアル空間にゲームエンジンを適用することで、現実世界にいながらゲームのようにインタラクティブな音響体験ができるiOSアプリケーション。GPSに依存しない位置測位技術を用いることで、施設や観光地などの屋内外を問わず、設備に一切干渉しない没入音声の体験型展示を実現。特定の場所に置かれた音声をまるでそこに音源があるかのように臨場感のある立体音響で体験することを可能にする。


『Auris』はラテン語で「耳」を意味する言葉に由来し、「インターネット技術によって人の耳の能力を拡張し、聴覚の持つ新しい可能性を切り開いていく」という意思が込められている。

近年、視覚のARグラスに先駆けて、イヤホンやヘッドホンなどを単なる“音声再生デバイス”ではなく“ウェアラブルデバイス”として捉え直すことで、さまざまなセンサーを搭載した複数の音声ARデバイスが登場。グローバルで幅広い世代で普及しつつある。『Auris』はこうした背景のなかで発案され開発・誕生した。

「聴く」から、「体験する」へ。(Aurisホームページから引用)
私たちのサービスは、ある場所に行ったら音楽や音声が聞こえるという単純なものではありません。 ユーザの行動に応じてインタラクティブに音を変容させ、現実の世界を上書きします。 また、立体音響技術を使い位置情報を持った音声を流すことで、ユーザを声で誘導するなど能動的な体験を提供することが可能です。

今後は、2020年内での『Auris』正式版リリースを目指すとともに、観光地・博物館・美術館・商業施設・ホテル・アミューズメントパークなど、さまざまな施設への導入や、コンテンツとのコラボレーションを視野に入れ、引き続きプロダクト開発およびマーケットの拡大に取り組んでいくという。


施設や地域への導入メリット

1.非接触型の新しい音響体験
非接触・多言語対応といった施設・観光地のニーズに応えながら、今までにない音響エンターテインメントを付加することで、“未来の音声ガイド”の役割を果たす。

2.検索から探索へ
検索を通じた観光・学習には、知っていることしか調べることができないというジレンマがある。Aurisは回遊する中で偶発的・受動的に情報が得られるという探索型の観光・学習を提案する。

3.パーソナル性
ユーザーがどこにいるかという情報から、イヤホンから流れる音声の内容を一人ひとり制御し、パーソナルで没入感のある体験を可能にする。

4.工事不要
スマートフォンに搭載されたさまざまなセンサー類を活用することでユーザーがどこにいるのかを推定するため、従来のビーコン設置といった物理的な施工が必要なく、文化財への導入も可能。


株式会社GATARIについて

株式会社GATRAIは新しいエンターテインメントを切り口に、未来の都市「スーパーシティ」を見据えた未来のインフラづくりを目指すAR/MRスタートアップ。「人とインターネットが融け合う世界を創る」というビジョンを掲げ、東京大学を拠点とした日本最大のVR学生団体UT-virtual創設者である代表の竹下氏によって2016年に設立された。

これまで、ゲームエンジンを活用しリアルとデジタルを融合させることで生まれる様々な空間サービスの開拓や研究開発を行い、現在、Mixed Realityエンジニアリングと音響の専門家が在籍するチームで、それぞれの専門領域を生かして既存フォーマットの100+1の体験ではない未来の音声体験を生み出し続けている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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