ソフトバンクは英国のモバイルネットワーク分析会社Opensignalが2020年9月に発表した「グローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード2020」の「音声アプリ・エクスペリエンス」部門で世界第1位を、「ビデオ・エクスペリエンス」部門で世界第3位を獲得したことを発表した。
世界の通信事業者で最も高い評価を獲得
この調査は世界中で1億台以上のデバイスから毎日収集された数十億の測定値を使用して、ワイヤレス業界で最大の規模と頻度で全世界のモバイルネットワークのユーザーエクスペリエンスを分析するOpensignalが、世界の通信事業者181社を対象に「音声アプリ・エクスペリエンス」「ビデオ・エクスペリエンス」「ダウンロード・スピード・エクスペリエンス」「アップロード・スピード・エクスペリエンス」「4G利用率(Availavility)」の5つの評価軸で、包括的に比較したもの。
ソフトバンクはLINEやWhatsApp、Skype、Facebook Messengerなどのモバイル・ボイス・アプリや、オーバー・ザ・トップ(OTT)におけるユーザー体験の品質を測定する「音声アプリ・エクスペリエンス」部門において、世界の通信事業者で最も高い評価を獲得。また、画質や読み込み時間、失速率を考慮した動画品質を判定する「ビデオ・エクスペリエンス」部門で、世界第3位の評価を獲得した。
同社は次のようにコメントしている。
ソフトバンクは音声アプリ体験で世界一、auやドコモも高評価
OpensignalのVoiceApp Experience(音声アプリ・エクスペリエンス)部門は、国際電気通信連合(ITU)ベースのアプローチから派生したモデルを使用して、オーバーザトップ(OTT)音声サービス(WhatsApp、Skype、Facebook Messengerなどのモバイル音声アプリ)のエクスペリエンスの品質を測定し、全体的な音声通話品質と一連の校正済み技術パラメータを定量化した。
ソフトバンクは音声アプリエクスペリエンスの世界的な勝者を獲得、100点満点中83.6ポイントとなった。このモバイルエクスペリエンスではauやドコモも高得点で続き、指標のトップグループは日本、韓国、オランダの企業が占めている。
音声アプリエクスペリエンスの12のグローバルリーダーのうち、これら3か国から来ていない唯一のオペレーターは台湾のFarEasToneとBelgian Proximus。表の下に見ると、オーストラリアのTelstraとニュージーランドのSparkの2つのOceanianオペレーターが持っているのは興味深く、それぞれ81.3と80.9のスコアでハイパフォーマーセクションに入った。
地域の観点から見ると、ソフトバンクはアジア太平洋と北東アジアの両方で最高の地位を占めている。東南アジアでの音声アプリエクスペリエンスはシンガポールのシンテルとベトナムのベトテルモバイルがトップの座を獲得。ヨーロッパではユーザーはベルギーのオペレーターであるProximusと、オランダの4つのオペレーターすべて (Tele2、Vodafone、KPN、TMobile)との間に5つの関係があることが分かる。
ソフトバンクはビデオ・エクスペリエンス部門でも3位に
VideoExperience(ビデオ・エクスペリエンス)部門のメトリック(測定基準)は、オペレーターのネットワークを介して実際のビデオストリームを測定することにより、モバイルデバイスにストリーミングされるビデオの品質を定量化。テストされた動画にはさまざまな解像度が含まれており、YouTubeやAkamaiなどの世界最大の動画コンテンツプロバイダーから直接ストリーミングされている。
T-Mobile NetherlandsとオーストリアのA1は、ビデオエクスペリエンスの共同グローバル受賞者であり、ユーザーが100点満点中80ポイントを超える平均ビデオエクスペリエンススコアを報告した唯一の企業。ソフトバンクはアジア太平洋地域におけるユーザーのモバイルビデオ体験で最高のパフォーマンスを発揮した。なお、日本勢ではドコモが9位で続いた。
シンガポールの3つの定評あるオペレーターStarHub、M1、Singtelは、東南アジアで統計的にトップの座を獲得。カタールのOoredooはグローバルハイパフォーマーとして位置付けられたが、そのビデオエクスペリエンススコアは75であり、アフリカと中東で最高スコアのオペレーターになった。同様にカナダのTelusは、ビデオのグローバルハイパフォーマーとして位置付けられ、評価したすべての北米事業者の中で最高のビデオエクスペリエンスを提供した。
日本の通信大手企業はすべて好調
表の左から部門、グローバルウィナー、グローバルリーダー
ソフトバンクは音声アプリエクスペリエンスのグローバルウィナーであり、ビデオエクスペリエンスと4G利用率(Availavility)の両方のグローバルリーダーとして位置付けられ、ダウンロードスピードエクスペリエンスのグローバルハイパフォーマーの1つとなった。同様にauは4G利用率のグローバルウィナーであると同時に、音声アプリエクスペリエンスのグローバルリーダーであり、ビデオエクスペリエンスとダウンロードスピードエクスペリエンスのグローバルハイパフォーマーでもある。NTTドコモは、このレポートで分析したモバイルエクスペリエンスの5つの指標のうち4つでグローバルリーダーとなった。
日本のモバイル市場の新参者である楽天は、音声アプリエクスペリエンスと4G利用率の両方でグローバルリーダーであり、同業他社とは異なり、アップロード速度エクスペリエンスのグローバルハイパフォーマーとなった。
日本勢の結果 auは4Gの利用率(Availavility)で1位
日本の通信大手企業は、下記のとおり好調の成果を上げた。
ソフトバンク
・ ボイス・アプリ体感ではグローバル・ウィナー、ビデオ体感と4G利用率ではグローバル・リーダーを獲得
・ ダウンロード速度体感では、グローバル・ハイパフォーマーの1社に選出される
・ アジア太平洋地域および北東アジア地域の全通信事業者の分析では、ビデオ体感で最大スコア100で79.7を記録した
au
・ 4Gの利用率でグローバル・ウィナー、ボイス・アプリ体感ではグローバル・リーダーに
・ ビデオ体感とダウンロード速度の体感ではグローバル・ハイパフォーマーに選ばれた
NTTドコモ
・ 本レポートで分析したモバイル体感の評価では5つのカテゴリのうち4つのカテゴリでグローバル・リーダーとして記録された
楽天
・ ボイス・アプリ体感と4G利用率ではグローバル・リーダーを獲得
・ 同業他社とは異なり、アップロード速度の体感では、グローバル・ハイパフォーマーの仲間入りを果たす
レポート全文 PDF
https://www.opensignal.com/sites/opensignal-com/files/data/reports/pdf-only/data-2020-09/opensignalglobalmobilenetworkexperienceawards2020_final_0.pdf
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。