2025年大阪・関西万博の開催や統合型リゾート地(IR)として注目される大阪府では、万博記念公園をはじめとした、さまざまな資産を有効活用しようという機運が高まっていると同時に、「実証事業都市・大阪」として、自動運転技術やXR技術などの先端技術開発支援に積極的に取り組み、社会実装を目指している。
2020年10月23日より万博記念公園(大阪府吹田市)で実施される自動運転車両を活用した次世代モビリティサービス実証に参画している、凸版印刷株式会社とTIS株式会社は、2019年3月から提供している遠隔コミュニケーションサービス「TeleAttend」のガイドキャラクターとして凸版印刷のオリジナルバーチャルキャラクター「小石川 彩(こいしかわ あや)」を起用。同実証にて、乗客に対しバーチャルキャラクターがリアルタイムで、会話や動きを伴ったガイドを行う、対話型の新たな移動体験型サービスを提供することを同年10月12日に発表した。
両社は、今後、観光施設の観光ガイドや工場見学の案内やショールーム、教育などさまざまな分野へのXRを活用した誘致施策の提供を広げることを目標としている。また、2025年大阪・関西万博やIRでのバーチャルな観光体験の実装や、「TeleAttend」のシステムを活用した遠隔就労など、目的や利用シーンに合わせてサービスラインアップや機能を充実させていく予定とのことだ。
同サービス実証の概要
凸版印刷オリジナルバーチャルキャラクターである「小石川 彩」を、自動運転車両に搭載されるパナソニックが開発中の透明ディスプレイに登場させ、遠隔操作することで、車内にガイドがいなくても双方向で対話を楽しみながら「EXPO’70万博パビリオン跡地」の紹介を行う。乗客は、ディスプレイ越しに透過して見える公園の風景と「小石川 彩」によるガイダンス映像を重ねてみることができるため、景色を楽しみながら、リアルタイムで「EXPO’70パビリオン跡地」の歴史や文化を学ぶ新たな移動体験が可能となる。
遠隔コミュニケーションサービス「TeleAttend」の特徴
「TeleAttend」は、XR(AR/VR)技術を活用することで、物理的に遠く離れた別の場所にいる相手と同じ空間を共有しているような体験を提供する。遠隔コミュニケーションやリアル空間とバーチャル空間が融合したアクティビティを可能にするサービスだ。例えば、観光案内に「TeleAttend」を活用することで、観光客側はAR技術により、現実空間にガイドをキャラクターとして重ねて見ることができる。また、ガイド側はVR技術により再現されたバーチャル空間で、施設内の状況を把握し、遠隔地から観光客に案内を行うことが可能となる。
■【動画】「凸版印刷とTIS 離れていても体験を共有できる技術を共同開発」【TIS株式会社】
これまでの「TeleAttend」では、屋内での遠隔コミュニケーションを対象としてきたが、今回の次世代モビリティサービス実証において、新たに位置情報連携機能を追加する事で、屋外での遠隔コミュニケーションへの対応も可能となった。なお、位置情報に関しては、GPSの現在地測位は誤差を生じる場合もある。
「(仮称)EXPO オートライド&ガイド」概要
同実証は、2020年10月23日から11月16日まで、万博記念公園内にて、自動運転車両「ARMA」2台を低速自動走行しながら、車内に設置した透明ディスプレイでの映像コンテンツによるガイダンスサービスを提供。車両の1台には表情分析用カメラ&いいねボタンを搭載し、満足度分析を行うというものだ。走行ルートは、「パビリオンルート」と「日本庭園ルート」の2ルートがあり、TeleAttend体験は「パビリオンルート」のみとなっている。
▼「パビリオンルート」(TeleAttend体験)
開催日程 | 10月23日(金) 24日(土) 25日(日) 26日(月) 11月13日(金) 14日(土) 15日(日) 16日(月) |
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乗車時間 | 約20分 |
乗車方法 | 実施各日に同日分の整理券を配布予定。 |
ルート詳細 | 「パビリオンルート」「EXPO’70万博パビリオン跡地」を巡りながら、2025年万博の未来も垣間見られるタイムマシン型エデュテイメントモビリティルートを担当。対話型アバターにより、50年間の進歩と調和の変遷を体験できる。 |
備考 | ※詳細は、万博記念公園の公式ホームページに掲載。 ※上述の予定・内容は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、今後予告なく変更・見直しの可能性がある。 |
https://www.tis.jp/service_solution/teleattend/