ルート上の風況情報をリアルタイムに観測し、ドローンの安全運航を目指す メトロウェザー、NTT com、ANAHDが五島市で実証実験

メトロウェザー、およびNTTコミュニケーションズは、高精度風況観測を実現する超高分解能ドップラー・ライダー(大気中にレーザー光を発射し、エアロゾル(塵、微粒子)からの反射光を受信することによって、風速・風向を観測することができる大気計測装置)を活用した風況情報を提供するシステム(以下 風況プラットフォーム)を用いて、ドローン安定運航における風況情報の有効性を検証するための実証実験を2020年11月より、ANAホールディングス(以下、ANAHD)と共同で開始することを発表した。


ANAHD運航管理のもとドローンによる海上輸送を行う

実証実験では五島市の福江島と嵯峨島間にドローンによる海上輸送ルートを構築し、ANAHDの運航管理のもとドローンによる海上輸送を行う。メトロウェザーとNTTコミュニケーションズは、風況プラットフォームにおける風況情報見える化ツールを使用することで、ANAHDのドローン運航管理者に対して風況情報を提供する。

この情報を安定飛行に活用することで、風況情報の有効性を検証する。なお実験は、五島スマートアイランド推進実証調査協議会が行っている、オンライン遠隔医療の離島モデル構築の取り組みの一環。期間は2020年11月4日(水)~2020年11月6日(金)まで。



風況プラットフォームの開発を進めるメトロウェザーとNTT com

ドローン技術の急速な発展に伴い、インフラ点検・メンテナンス、物流等の幅広い分野における活用が期待されている。一方、ドローンが飛行する地上付近の風は乱れが多く大小様々な乱流が形成され、安全な運航にとっての致命的なリスクが存在している状況。急速にドローン市場が拡大していく中で、運航ルートにおけるリアルタイムな風況情報の把握は必要不可欠であり、そのためのシステム開発が急務となっている。

このような状況を踏まえ、メトロウェザーとNTTコミュニケーションズは2020年4月に風況情報提供の事業化に向けた業務提携を行い、風況プラットフォームの開発を進めている。この提携は、NTTコミュニケーションズのさまざまな経営資源やビジョンを開放し、スタートアップやアカデミアなど社外の方と新たな価値を共創するプログラム「NTT Communications OPEN INNOVATION PROGRAM」の成果として生まれた。

今回、あらたに風況プラットフォームを活用したドローン安定運航における風況情報の有効性を検証するため、ANAHDと共同での実証実験を開始。各社の役割は以下の通り。

ANAHD 医薬品等の配送受付からドローン物流の運航管理全般と配送依頼システムの構築
メトロウェザー ドップラー・ライダーによる風況情報観測、信号処理技術を活用し風況情報の高精度化
NTT Com ドップラー・ライダーで観測した風況情報の収集・蓄積のための通信・クラウド環境構築、および風況情報の視覚化ツールの開発



風況プラットフォームの特長

風況プラットフォームはメトロウェザーが持つドップラー・ライダーや信号処理技術と、NTTコミュニケーションズのデータ利活用プラットフォームである「Smart Data Platform (SDPF)」が提供するデータ収集機能やクラウド上でのデータ蓄積、データ統合・可視化などのIT基盤を組み合わせることで、リアルタイム風況情報の提供を可能にする。

1.ドップラー・ライダーによる、3次元・立体的な風況データ収集を実現
赤外線レーザー光による360度スキャンを行うことで、風況を3次元にリアルタイムで取得できる。

2.信号処理の技術ノウハウを活用した、高精度な風況情報の提供
およそ100m間隔で風向や風速の情報を得ることができる。

3.風況情報の見える化を実現
目で見て風況を把握できるように、風速や風向といった情報を視覚的に表示する風況情報見える化ツールを提供する。


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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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