ドコモの5G戦略は3つの周波数帯域による「瞬速5G」キャリアアグリゲーションで国内最速「4.2Gbps」へ 来春500都市に展開

NTTドコモは11月5日、「2020-2021冬春 新サービス・新商品発表会」をオンラインで開催し、5Gが50万契約を達成したことを発表した。また、今後の「5G」展開の予定、XR、ロボティクス、製造IoT分野における5Gに対応した7パートナーソリューションを提供なども発表した。

株式会社NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤和弘氏

このイベントに登壇したドコモの代表取締役社長 吉澤氏はまず、5Gに関するこれまでの取り組みを振り返った。エンタメ領域では「新体感ライブ CONNECT」「サッカー観戦」「高輪ゲートウェイでのMR体験」「)8K映像の配信」を含めた取り組みを紹介。


ソリューションの領域ではAR技術を活用して、消失した文化財(首里城)を仮想的に復元して学芸員が解説するといった新しい教育の姿を示した。また、動画では「AceReal for docomo」がビジネス利用されている映像も紹介した。

更に「今後も5Gの特徴である高速大容量・低遅延を活かした様々なサービスを展開していく」と続けた。


5Gの新たな取り組み

今回の発表はやはり「5G」についてが中心となった。吉澤社長は、3つの周波数帯域による「瞬速5G」にこだわって「5Gエリアの構築を進める」とした。


5G基地局数は、2021年6月に1万局に拡大、2023年には人口カバー率70%(3万2千局)に展開する予定を示した。


2022年3月の予定 東名阪の例

そして「2023年度までに1兆円を投資、その後も継続的に投資する」と付け加えた。


スタジアムの5G化

吉澤氏によれば、Jリーグやプロ野球で使用されているスタジアムの5Gエリア化を進め。こうしたエリアに向けてはコンテンツの提供を含めて推進するとした。




ミリ波による5G通信

5Gの高速性に期待が集まっているのが高周波の「ミリ波」だ。高周波・超高速のミリ波5Gは現在Wi-Fiステーションのみで使用できるが、新発売の「arrows 5G」でも対応することが発表された。



サブ6での5G通信

高速性では劇的な進化は見込めないと言われている、比較的低い周波数の「サブ6」では、3.7GHzと4.5GHzの周波数2つを束ねて使用する「キャリアアグリゲーション」を2020年12月より開始する。これは最大4.2Gbpsの国内最速を目指すという。(O-RAN準拠)




社会実装

5Gの社会実装について、教育分野と農業分野での取り組みを紹介した。教育分野では山口県立美術館と協力した遠隔授業を・・・


高知県で行われているスマートグラスと「AceReal for docomo」を活用し、遠隔地からリアルタイムに栽培を指導する取り組みを紹介した。作業中に栽培に関するマニュアルを音声で検索、必要な情報を「AceReal for docomo」上に呼び出すことができる。


そのほか、製造業のスマートフィクトリー(金沢)にも触れた(詳細は後日に発表)。


docomo DX AWARDS

NTTドコモはベンシャーや新鋭企業との連携でDXや5Gを促進する「docomo DX AWARDS」を開催しているが、ロボティクス技術を持つ企業を含めて、4つの企業との取り組みでこれを展開していくことを発表した。



「5G」に対応した7パートナーソリューションを提供へ

ドコモは映像伝送、XR、ロボティクス、製造IoT分野における5Gに対応した7パートナーソリューションについて、本日から受付を開始したことも発表した。

7ソリューションのうち、AMATELUS株式会社の「SwipeVideo」、株式会社スマートロボティクスの「テレワークロボット」、大成株式会社/Mira Robotics株式会社の「ugo(ユーゴー)」(警備仕様版)については、2020年9月15日(火)に実施した、5Gのソリューション創出コンテスト「docomo 5G DX AWARDSTM 2020」において、最終選考会に選出されたパートナーによるソリューション。

今回受付を開始するソリューションの一部は、ネットワークの伝送遅延の低減とセキュアなクラウド環境を提供する「ドコモオープンイノベーションクラウド」にも今後、対応を検討していく。

2018年2月に開始した「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」のパートナー数は現在3,500社を超え、「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」での協創を通じ、さまざまな事例を創出してきた。ドコモは、2021年度末までにパートナー数を5,000社まで広げ、5Gサービスのさらなる拡大をめざし、さまざまな分野における5Gソリューションの拡大をめざすとしている。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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