パナソニック コミュニティバス利用者のデータを顔認証で取得 地域に望まれる利便性の高いサービスなどを調査

パナソニック システムソリューションズジャパン(以下、パナソニック)は2020年11月17日(火)~12月7日(月)まで宮城県仙台市の泉パークタウンにて走行するコミュニティバスの2つのルートにおける乗降客の利用状況データ取得に顔認証システムを使用し、地域に望まれる利便性の高いサービス・交通体系の構築検討・検証を進めるための調査を開始することを発表した。


顔認証技術の活用で効率的なODデータ取得を目指す

今回の実証調査は高齢化など郊外型居住地域の課題を解決することを目指し、三菱地所を代表幹事とする「仙台市泉区における先進取組協議会」が国土交通省2019年度「スマートシティモデルプロジェクト」の一環として泉パークタウンのスマートコミュニティ/モビリティ化を加速すべく、地域に望まれる利便性の高いサービス・交通体系の構築検討・検証を進めるために実施する。



その中で、これまでのコミュニティバスでの利用状況調査においては、目視での計測や調査票の活用等を代表的な手法としてODデータ(あるバス停で乗車した旅客がどのバス停で降車したか)を取得していた。今回の実証では顔認証技術の活用により、効率的なデータ取得を目指す。具体的には、まず乗客の顔を乗車時に登録し、降車時に認証することで「乗降場所における人数カウント」「ODデータ取得」を行う。


データの取得方法

顔画像取得用のタブレットにカメラを接続(GPSは内蔵)し、乗車・降車時にアプリ画面上で乗車・降車ボタンを操作し(添乗員にて支援)、以下データを作成及び送信する。

・顔データ(ルートID+顔画像+GPS情報)
(バスの走行情報の取得のために、GPSで定期的に経度緯度情報を保持し、将来的に、バスロケ機能への対応を検討する)

・顔データはボタン操作ごとにクラウド上の受信アプリに送信
(送信後、顔写真はタブレット内から削除する)

・クラウド上から顔写真をμSockets(BtoB向けのIoT基盤サービス)に送信し、顔IDの発番及び顔特徴量データを登録
(クラウドから送信後、クラウド上の顔写真は即時削除)

実証調査終了後、パナソニック管理PCよりクラウド上から取得した乗降データについてバス停GPS情報とのマッチングを行うことで、バス停ごとの乗降人数やODデータの取得を可能とするための分析データファイルを作成。分析データファイルは将来の延伸や新ルート策定、デマンド化等への参考データとして活用される。

パナソニックは今回の実証実験の仕組みを起点に、将来的な発展・応用として、顔認証を活用した乗車時の認証等、ユーザー体験価値向上につながるサービスを検討していく。


パナソニックの「顔認証」技術について

ディープラーニングを応用したパナソニックの「顔認証」技術は、顔の向きや経年変化、メガネなどにも影響されにくく、快適に利用できる。パナソニックはこれまでにも空港での厳格かつ円滑な本人確認や、アミューズメントパークでのチケットレス入退場、店舗でのキャッシュレス決済、オフィスでのICカードレス入退室などで、顔認証技術を応用したシステムを展開し、1日10万回超の固有の顔認証を達成してきた(パナソニック調べ)。

今後、オフィス・ビルへの展開に加え、店舗・商業施設、展示場・国際会議場、ホテルなどにも導入を拡大し、顔認証によるストレスフリーで安心・安全、かつ効率的な次世代型の空間づくりへの貢献を目指していく。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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