立命館大学発ベンチャーの人機一体が「人機プラットフォーム」を発表 「ロボット・航空宇宙フェスタふくしま2020」で初公開

力制御マスタスレーブロボット技術を中心に、先端ロボット工学に関するコア技術の知的財産を多数保有する立命館大学発ベンチャーの株式会社人機一体(以下、人機社)は、福島県が主催し、2020年11月27日〜28日に開催する「ロボット・航空宇宙フェスタふくしま2020」にて出展および講演を行うことを発表した。

展示では重労働・ロボット技術に関する課題を抱える事業会社へ向けた、新しい「知的財産活用のサブスクリプション型サービス」である「人機プラットフォーム」を初公開する。人機社の代表取締役社長である金岡博士氏による講演は11月28日14時20分〜15時40分まで。演題は「福島ロボットテストフィールドで人型重機を開発する」。当日の講演はYouTubeでも配信予定。


ニーズとシーズを繋ぐ「人機プラットフォーム」

「人機プラットフォーム」は人機社の知的財産を活用して土木、建築、保守・点検、工事・作業、災害対応などの自動化できない現場作業を機械化することによって課題解決を目指すサブスクリプションサービス。同社はニーズとシーズを繋ぎ、人機社とともに、社会課題を解決する革新的ロボットビジネスに取り組む企業を募集する。

【ニーズ】
産業用機械によって自動化省人化が進んでいる一方、土木、建築、保守・点検、工事・作業、災害対応など、まだまだ人海戦術で成り立っている現場が多くある。

【シーズ】
一方、人機社は様々な外部環境で臨機応変かつパワフルに使える世界初のロボットを実現しうる独自コア技術と知的財産を多数保有している。

下記のような課題を、機械・ロボット分野で持つ企業を募集
・新規事業開発をしたいが、有望な新規市場が見つからず困っている

・自社技術をこれまでとは違う分野で活かし、新しい販路・市場を得たい

・自社で塩漬けになっている特許が多数ある

・現場の重労働課題が慢性的に続いており、抜本的解決ができず困っている

【人機一体のロボット技術の特徴】
人機一体の保有する独自コア技術は、従来のロボットが抱える以下の問題を、全て解決することができる。

・自動・自律制御やAIベースでは、「未知環境(現場)での非定型作業」ができない

・単一の作業しかできない「専用機」になっている

・物理的な「力」を自在に操ることができず、外部との力の相互作用が困難である

・衝突・摩擦などの外部からのイレギュラーな衝撃・干渉に弱い

人機社は独自コア技術の知的財産を活用することにより、これまで不可能と思われてきた、現場の「機械化」を実現する。

人機社について
株式会社人機一体は、金岡博士の理念と先端ロボット制御工学技術をコアに、パワー増幅マスタスレーブシステムとしての「人型重機」を開発・社会実装することにより「あまねく世界からフィジカルな苦役を無用とする」ことを目指す立命館大学発リアルテックベンチャー企業。同社はフィジカルな苦役を無用とするためには「力学ベースのロボット工学技術」の社会における広範な利用が不可欠であり、またそれによって十分に解決可能だと考える。しかし現状を鑑みると、ロボット工学技術が学術分野において膨大に蓄積されていく一方で、その社会実装は全く不十分。

人機社は「人型重機の社会実装」というシンボルプロジェクトを通してビジョンを強烈に訴え、力学ベースのロボット工学技術の社会実装に突破口を開く。


JR 西日本イノベーションズと資本提携

人機社は2020年6月、JR西日本イノベーションズとの資本提携を発表。JR 西日本グループ内での鉄道構造物の点検・保守作業に関して、「機械化・人間能力拡張」という軸での高度化を進めている。これが実現すれば、作業効率と安全性が高まるだけでなく、鉄道メンテナンス手法の革新、さらには労働力不足解消にもつながることが期待される。


出展ロボット

MMSEBattroid ver.1.2
人機一体社の独自技術である力順送型バイラテラル制御の適用によって、従来の華奢なマスタ装置ではなく、非常に高剛性・高出力で、繊細な感覚まで伝達できるマスタ装置となっている。




零式人機(れいしきじんき)
最終的には4m級の人型重機ロボットになる。大きなロボットでありながら、繊細な作業操作が可能。


人機回転駆動ユニット
強力で巧緻、緩急剛柔自在で安全な位置/力制御を実現。



人機並進駆動ユニット
自在に並進力を操ることができる。



関連サイト
人機一体

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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