東大発ベンチャーのソナスが独自開発するIoT無線規格「UNISONet」(ユニゾネット)が優秀賞を受賞
独自開発のIoT無線「UNISONet」(ユニゾネット)を提供する東大発ベンチャー・ソナス株式会社は、JR東日本とJR東日本スタートアップが2020年11月26日に開催したビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム2020」の採択企業によるDEMO DAY(発表会)において優秀賞を受賞したことを発表した。
242件の応募から18件が採択
「JR東日本スタートアッププログラム」はJR東日本とJR東日本スタートアップが、ベンチャー企業などから、駅や鉄道のほか同社グループの経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスに関する新しい提案を募る、オープンイノベーション推進のためのビジネス創造活動。第4回となる今年は、242件の応募から審査を経て18件が採択された。
11月26日に行われた採択企業によるDEMO DAYにおいて、ソナスは「技術を基に現場にしっかりと入り込んで課題解決を行っている」として優秀賞を受賞。同プログラムのテストマーケティングとして、既に2020年11月上旬より鉄道設備や駅などの工事現場におけるIoT化を目指して実証実験を開始しており、UNISONetの省電力性や通信性能の高さ、設置の簡便さなどが高く評価されている。
UNISONetの特徴
UNISONet(ユニゾネット)はソナスが独自開発したIoT向けの省電力無線通信規格。一般的にIoT無線は「バッテリが全然持たない」「通信がすぐに途切れる」「制約が多すぎて使いづらい」といった問題に直面しがちだが、UNISONetは「同時送信フラッディング」という転送方式により従来のIoT無線にはない特徴を持ち合わせ、「安定」「省電力」「高速」「双方向低遅延」「ロスレス」「時刻同期」「多数収容」といったIoT無線に求められる多数の要件を同時に実現する。
1.電波環境変動に強い安定性
2.電池で年単位の駆動が可能な省電力性
3.高スループット
4.上下の通信が双方向低遅延
5.再送制御によるロスレスデータ収集
6.高精度時刻同期
7.1ネットワーク内に数百台収容
現在、高崎線熊谷駅付近の鉄道設備の保守メンテナンス業務や信越本線新潟駅付近の駅建設工事現場において、UNISONetを活用して現場の設備などを無線ネットワーク化することにより、低コストでスマートに現場の安全管理が行うための実証実験が行われている。
各賞の受賞事業者
スタートアップ大賞:株式会社フォトシンス
【協業内容】SuicaのIDを活用して事前インターネット受付によるビル入退館や駅業務施設の入退館を可能にすることで新しいSuicaの活用方法を創出。
優秀賞:株式会社さとゆめ
【協業内容】『沿線まるごとホテル』による無人駅からはじまるマイクロツーリズムの実現
優秀賞:ソナス株式会社
【協業内容】無線計測技術を⽤いた⾼効率なインフラの維持管理の実現
オーディエンス賞:SD C株式会社
【協業内容】オンライン問診を活用したスマート健康ステーションの実現
審査員特別賞:グリーンインパクト
【協業内容】湧水を活用したワサビ栽培による地域活性化と地域産業創出
【今回の採択企業一覧】
UNISONet
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。