半導体メーカーのSTからAlexa搭載スマート・ホーム機器を開発支援するAmazon認定のリファレンス設計メインボードを発表

世界的な半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、Alexa Voice Service(AVS)Integration for AWS IoT Coreを活用したスマート・ホーム機器向けのAmazon認定済みリファレンス設計(マイコンとWi-Fiモジュールを搭載した小型のメイン・ボード製品)を2020年11月25日に発表した。


Alexa搭載スマート・ホーム機器の開発を簡単に

AVS Integration for AWS IoT Coreはトースターや調理器具、サーモスタット、ブラインド・カーテン、ヘア・ドライヤーなど、さまざまな生活家電に簡単かつ低コストでクラウド・ベースのAlexa機能を実装し、スマート機器の操作方法を変革することが可能。これにより、従来のボタンやダイヤル無しで、簡単かつ自然な操作ができる次世代製品の実現に貢献する。さらに、料理のヒントや消耗品の再注文といったクラウド・サービス機能に加え、さまざまなスマート機能を実現できる。

今回、STが発表したAlexa Voice Service(AVS)Integration for AWS IoT Coreを活用したスマート・ホーム機器向けのAmazon社認定済みリファレンス設計には、超高性能STM32H743マイコンとWi-Fiモジュールを搭載した小型のメイン・ボード(36x65mm)が含まれており、Alexaに対応した生活家電用コントローラの設計をすぐに開始することができる。

STM32マイコンは優れた電力効率を特徴とし、世界的に実績のあるArm Cortex-Mマイコン・ファミリで、遠距離からの音声検出や自然言語理解といった最先端機能が求められる、低コストかつシンプルな小型IoT機器に最適な製品。デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)やFlashレス・プロセッサをはじめ、Alexa搭載製品で一般的に使用されている他のデバイスと異なり、STM32マイコンは強力なオーディオ・フロント・エンド処理、ローカル・ウェイク・ワード検出、通信インタフェース、およびメモリ(RAM、Flashを含む)など、必要なシステム機能をすべてワン・チップに集積している。そのため、基板の小型化とレイアウトの簡略化、およびコスト・パフォーマンスに優れた最終製品の実現に貢献する。

オーディオ・フロント・エンドはノイズの多い環境やマイクの密集している状況でも遠距離で優れた音声検出が可能。ユーザが簡単に微調整できるように、Audio Weaverツールの無料ライセンスも付属している。同技術はSTの認定パートナー企業であるDSP Concepts社が開発し、STM32マイコンの開発エコシステムの一部としてSTが販売およびサポートしている。


機能と拡張性

高性能のSTM32マイコンの機能を活用することで、第2のウェイク・ワード設定や追加のローカル・コマンド設定、音声コマンド機能と組み合わせたグラフィカル表示といった機能拡張もできるため、さらに魅力的なユーザ・インタフェースを実現することもできる。また、試作設計および開発をさらに簡略化するため、リファレンス設計には、オーディオ・ドーター・ボードが独立したモジュールとして含まれている。

STのFDA903Dオーディオ・コーデック、ユーザLEDおよびボタンに加えて、2つのMEMSマイク「MP23DB01HP」が36mm間隔で配置されており、電源スイッチ・プラグなどサイズに制約のある製品に対応。ハードウェアがモジュール化されているため、カスタム・ドーター・ボードを実装することでアプリケーションに応じたマイクの間隔、音響、およびユーザ・インタフェースの定義も可能。

リファレンス設計には、Alexa搭載製品のサポートに必要な以下の機能やソフトウェアも含まれている。

・オーディオ・キャプチャ・ソフトウェア

・遠距離音声検出に必要なノイズ・リダクション、エコー・キャンセレーション、高度なビーム・フォーミング・シグナル処理の機能を備えた先進的なオーディオ・フロント・エンド(AFE)

・「Alexa」ウェイク・ワード

・AWS IoTへの接続

・オーディオ出力ソフトウェア

このリファレンス設計では、システム全体を独立して構築するよりも迅速かつ簡単にAVSに対応した最終製品の認証を行うことができる。ハードウェアおよびソフトウェアはいずれも、製品のコンセプトに応じて簡単に調整することが可能(価格およびサンプル提供については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店まで)。

STのマイクロコントローラ事業部マーケティング・ディレクターであるDaniel Colonna氏は、次のようにコメントしている。

「STは、AVS Integration for AWS IoT Core がスマート機器の強力な機能をより使いやすくし、より便利で魅力的な製品を実現することで、ユーザのスマート機器に対する認識を大きく変えることができると考えています。STM32マイコンおよびサポート・ソリューションを活用したSTのリファレンス設計により、卓越した機能を備えた小型のスマート機器を低コストかつ短期間で開発することができます。」


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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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