パナソニック 国立循環器病研究センターでロボティックモビリティ「PiiMo」の実証実験 移動支援機能の有用性を検証

国立循環器病研究センター(以下、国循)とパナソニック株式会社は、国循の病院内におけるロボティックモビリティ「PiiMo」を活用した移動支援機能の有効性検証に関する共同研究に合意し、2020年12月16日〜2021年1月31日(うち4週間程度)まで実施している。


広大な敷地に建つ大型病院の国循

超高齢社会の到来に伴い、介護を必要とする高齢者が増加し、看護師の業務の中で検査・診察・リハビリなどの患者移送には多くの時間が費やされるようになっている。医療従事者の働き方改革の意味でもロボット技術を用いた患者移送の実用化は、医療現場における深刻な人手不足を解決するには欠かせない技術。

国循は広大な敷地に建つ大型の病院。患者は受診受付から診察室、X線、CT・MRIなどの画像検査、血液検査など複数個所を移動した場合は延べ数kmにおよぶ長距離移動するため、患者および介助を行う家族、看護師などの大きな負担の要因となっている。



これまで国循とパナソニックは、健康、多世代居住、地域共生をテーマとしたスマートシティプロジェクト「Suita SST」をきっかけに様々な分野で協業や連携の検討を進めてきた。今回、国循の病院内において、パナソニックが開発したロボティックモビリティ「PiiMo」を外来患者や入院患者の移動時に試用し、次世代型モビリティの移動支援機能(安全停止機能、追従走行機能)の有効性を検証する。


今後の展望と課題

今回の取り組みでロボティックモビリティ「PiiMo」の移動支援機能によって、高齢者や障がいのある人を病院内で移動支援することが可能になれば、移動が困難な人が快適に受診できる病院環境を実現できるため、社会的意義は極めて大きい。また、病院内は外来や入院の患者も多数移動しているため、高度な安全性を要求される環境である。モビリティのみならず様々なロボット技術を導入することにより、より安全な移動が可能であることを実証できれば社会実装に向けて大きな前進となる。

国循とパナソニックは共同研究を通じて、移動が困難な人が快適に受診できる病院環境づくりと高度な安全性を要求される病院内でのロボティクス技術の活用拡大により、ロボティクス社会の実現に貢献していくとしている。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム