株式会社JVCケンウッドはこれまで培ってきた映像技術を生かして、光源の有無に左右されることなく夜間の遠方撮影や画像認識が可能となる車載用FIR(Far Infrared Rays 遠赤外線)カメラシステムを新たに開発したことを発表した。
車載向けFIRカメラシステムは夜間運転時の警告システムとしての活用や自動運転時の車載用カメラとしての展開を目指す。また、建設現場や工事現場などで使用される業務用車両への搭載や、車載用途に限らず夜間の視認性向上技術の需要が高い監視カメラなど、あらゆる分野に対して提案していく。そのため、それぞれの分野の市場特性に応じたシステムラインアップの拡充や、他のセンシングデバイスと組み合わせたシステムの構築など、新たなカメラソリューションとして今後も開発を進めるとしている。
主な特長
1.独自の画像補正技術により遠赤外線画像の高画質化を実現
遠赤外線センサーメーカー大手であるLynred社のマイクロボロメーターセンサー(QVGA 320×240 12μm)を用い、同社協力のもと開発した独自アルゴリズムの画像補正技術を搭載することで、遠赤外線画像の高画質化を実現。カメラ部は住友電気工業株式会社と共同開発した車載用小型レンズユニットの搭載により、レンズ保護窓レスを可能とし、小型化を実現しながらも耐衝撃性や耐候性を確保した。
また、カメラユニットを小型化(37×37×39mm)することで、全面投影面積が少なくスペースの限られた車両前面にも搭載が容易となった。信頼性においても10万kmを超える走行試験を実施し、降雪地や寒冷地などでの信頼性も確保している。
2.独自開発の認識システムにより遠方の人物認識が高精度で可能
車載用FIRカメラシステムとして最も有効な機能である、夜間の人物を認識し警告を行うシステムを搭載。認識エンジンには独自技術を用いて開発した軽量アルゴリズムを搭載。高価な画像認識専用CPUを使うことなく、汎用CPUに認識システムとカメラシステムを同時に実装することが可能となり、ECU(Electronic Control Unit)システムの簡略化と低コストを実現した。また、認識システムとカメラユニットの開発を並行して行うことで相互に成果を上げ、個々の開発レベルを高めることで、100mを超える遠方人物認識が可能となった。
3.人物だけでなく動物の検出にも対応
搭載した認識アルゴリズムは検出用の辞書を切り替えることで動物認識にも対応でき、人物と動物という異なる対象物を一つのアルゴリズムで検出することを実現。この認識システムは、車載分野だけでなくセキュリティ関連やヘルスケア用途などさまざまな分野への転用が可能。
株式会社JVCケンウッド
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。