株式会社Doogは、小型サイズで簡単に自動走行できる「メモリトレース機能」を備えた自動巡回ロボットを新たに試作した。そして、このロボットにはウシオ電機が開発した人に無害なUV除菌技術「Care222」の光源モジュールを搭載することができる。
このシステムは「第5回ロボデックス」で展示される予定。コロナ禍でウイルス抑制・除菌技術が求められる中、自律移動できるUV除菌ロボットとして注目されそうだ。
人に無害なUV除菌技術「Care222」
UV(紫外線)を使った除菌や消毒はさまざまなウイルスの不活性化や除菌に効果があるとされているが、人体にも有害であるものが多いため、使用するためには人がいない環境でのみ利用されていた。しかし、ウシオ電機が開発した「Care222」紫外線モジュールは人にも無害で、これを使用すると新型コロナウイルスを不活化する効果があることが広島大学病院らの研究によって2020年9月に発表されていた。
自律走行可能なロボットと組み合わせることで、「Care222」によるウイルス不活性化や除菌効果が実用化される可能性がさらに高くなる。
Doogは「当社では移動ロボット技術の特長である「非接触」「自動巡回作業」「省力化」などを活かし、公衆衛生や感染症対策への活用について、除菌専門事業者と連携しながら模索を続けております。ロボデックスの展示を通じて、特に緊急度が高い病院、療養施設などの現場の的確なニーズの把握や、ロボット技術活用の選択肢をご提案いたします」とコメントしている。
小型のベースユニット「サウザーミニ」(仮称)
展示されるロボットは、小型サイズで「メモリトレース機能」を備え、「Care222」を用いたウイルス抑制・除菌用UV光源モジュールを搭載した自動巡回ロボット。同社として最小サイズの協働運搬ロボットで仮称は「サウザーミニ」。横幅450mm、全長470mmで先端部が大きな円形からなる。
この小型ロボットは、2020年10月新発売のサウザーベーシックと同様に、320度の広い視野角で40mの長距離を計測できるレーザセンサーを標準的に備えることでメモリトレース機能を実現することができる。また、カスタマイズやインテグレーションによって各現場や運用にフィットした機器構築をするためのインタフェースを備えた「Eシリーズ」としてラインナップに加わることが予定されているという。
展示では、Care222Rを用いたウイルス抑制・除菌用UV光源モジュールを搭載し、より高い小回り性など運用性を高めた自動巡回除菌ソリューションを想定した試作機を披露するが、機器自体は紫外線照射モジュールを含まないベースユニットとして並行して量産化を進める予定だ(2021年度内の発売予)。
ベースユニットは除菌業務を始めとして、例えばバックヤード通路など狭い環境での搬送や、エレベータなどを含むサービス現場での搬送、自動走行サービスロボットのソリューション構築のベースユニットとしての活用を想定している。