食料問題や農業人口の不足、また昨今のコロナウィルスによる食の衛生面・安全に対する関心の高まりとともに注目が高まる植物工場市場。レタスなどの葉物類の植物工場が展開を広げる一方で果物類はミツバチを媒介とした虫媒受粉に多くを依存しており、受粉収穫の不安定さ、また飼育管理のコストが課題となっている。
ミツバチに代わる手段としてロボットを活用した授粉・収穫技術の開発に取り組むHarvestX株式会社は、東京大学が主催する「本郷テックガレージ」の支援プログラムにて立ち上げ、South by Southwest(SXSW)のTrade Show出展を目指す「Todai To Texas」や未踏IT人材発掘・育成事業を通じて、ロボットによる授粉・収穫技術の基礎となるプロトタイプの開発を推進してきた。現在はイチゴを対象に受粉から収穫までの栽培の完全自動化を目指している。
自動授粉・収穫実証試験ロボット XV1
HarvestX株式会社は独立系ベンチャーキャピタル「ANRI 4号投資事業有限責任組合」(以下、ANRI)、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下、東大IPC)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下、AOI1号ファンド)、河合聡一郎氏、曾川景介氏、田中邦裕氏から、総額5000万円の資金調達を実施したことを発表した。
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投資家からのコメント
・ANRI 元島勇太氏
果菜の植物工場化は、果物の安定供給だけでなく、農業を支えSDGsにも資する重要な課題です。難しい課題ですが、HarvestXなら必ずやり遂げてくれると確信しています。出口(採取)のために入口(受粉)から制御しようというエンジニア感全開のソリューションとやり切るガッツと実装力あるチームが最高です。未踏デモデイから早1年、出し続けたラブコールが実ってご一緒できて嬉しいです!全力支援していきます!本郷産いちごの試食はいつでもお任せください!
・東大IPC 古川圭祐氏
2020年6月に弊社主催の起業支援プログラム「1st Round」でHarvestXチームを採択させていただき、法人設立前から弊社が支援して参りました。HarvestXの開発力はもちろん、果菜類の完全自動栽培実現による植物工場市場の展開寄与にも大いに期待しており、この度改めて、株主としてご一緒できることを非常に嬉しく思います。今後、HarvestXと共に、植物工場の課題解決を進め、安定的な食糧生産と供給へ向けて日本、さらにはグローバルでの展開を目指してまいります。
・株式会社ReBoost 代表取締役 河合聡一郎氏
農業と言う市場に対して、テクノロジーで人がもっと出来ることにフォーカスできる世界観を、 HarvestXは実現できると感じて今回出資をさせて頂きました。市川さんの事業に対する熱量や解像度、そして未踏にも採択されたその頭脳で、植物工場市場をより良くしていただければと思っています。今後は一層の組織力も大切になってくると思いますので、ぜひ全力でご支援ができればと思っています。日本のみならずグローバルな展開を目指して、ガンガン行きましょう!
・株式会社メルペイ 取締役CTO 曾川景介氏
HarvestXという会社になる以前に「本郷テックガレージ」でアルミのフレームとプランターに造花が並べられた植物工場のプロトタイプを拝見させていただいことをよく覚えています。その後、未踏に採択され合宿や発表を通じて日進月歩の歩みをかげながら応援させていただいてきました。HarvestXが農業の機械化にイノベーションを起こし完全自動化された新しい農業を切り開いていくことを期待しています。完全自動栽培のおいしいイチゴを食卓に届けましょう!
・さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏
プロジェクトが始まったころ、IPA未踏採択時からずっと見てきて、いちごの可能性と市川さんの実現力に魅了されました。大きさあたりの付加価値の高さから、農産物の中でも抜群に輸出のメリットが大きく、海外市場も含めた将来性を感じています。応援しています!