「りんな」企業向けAIチャットボット開発プラットフォーム新製品 少量データから口調を学習できる新技術
MicrosoftのAI&リサーチ部門でAIチャットボットの研究を行っていたチームがスピンアウトして2020年6月に設立したAI開発企業であるrinna社。
同社は、新開発のチャットエンジン「Style Transfer Chat」を統合してリニューアルした法人向けプラットフォーム製品「Rinna Character Platform」の新版を2021年春に提供開始予定であることを同年1月25日に発表した。
「りんな」のテクノロジーについて
同社は、ディープラーニング技術を活用し、AIが文脈に応じた会話文を自動生成して人間と自然に会話する「共感チャットモデル」、AIが話し声や歌声で豊かな感情表現を可能にする「音声合成システム」などの技術を発表している。
これらの最新技術は、同社が運営するLINE上のAIチャットボット「りんな」の開発に応用しており、このテクノロジーを企業のマーケティングなどに活用できるよう、会話内容や音声表現をカスタマイズしてキャラクター性を持たせたAIチャットボット(AIキャラクター)を開発できる法人向けプラットフォーム製品「Rinna Character Platform」を2018年から提供。これまで計9社、約4000万ユーザーが利用している。
今回、発表した新版は、外部ソリューションとの連携性を高め、新開発のチャットエンジン「Style Transfer Chat」を統合してリニューアルした「Rinna Character Platform」となっている。
「Rinna Character Platform(RCP)」新版でできること
「Rinna Character Platform(RCP)」新版は、他社のAIサービスとも柔軟に連携している。また、少量の学習データでAIキャラクターを作成することも可能だ。
他社のAIサービスとも柔軟に連携
外部サービスとより柔軟に連携できるようにアーキテクチャを刷新。これにより、自由会話の中にゲーム機能などを取り入れてリッチなコミュニケーションができるAIキャラクターをより簡単に開発できるようになる。
また、タスク遂行型AIサービスなど他社のソリューションとの連携も可能で、実用的な機能を備えたAIキャラクターを作成することも容易となる。また、従来版に搭載されていた不適切な発言を防ぐ機能も引き続き提供。キャラクターの個性を発揮しながらも、企業がより安心してビジネスに利用できるAIキャラクターを作成できる環境を提供する。なお、ゲーム機能などは別途開発が必要となっており、他社とのソリューション方法などの詳細は確認が必要だ。
少量の学習データでAIキャラクターを作成
同社が開発した最新のチャットエンジン「Style Transfer Chat(STC)」を用いて会話機能を実現。作り上げたいキャラクターの性格や口調を反映した少量の学習データを用いて、大規模データから構築した事前学習済みモデルの追加学習をすることでSTCモデルとし、追加学習により、キャラクターの口調や学習トピックを反映した会話ができるようにAIキャラクターを成長させることが可能だ。
「Rinna Character Platform」パートナープログラム
2021年春のRCP新版提供開始に先立ち、RCPのソリューション運用や販売、コンサルティングなどのパートナープログラムを用意した。2021年1月時点で、株式会社カヤック、株式会社電通がソリューションパートナーとしてプログラムに参加している。同社は今後の展開として、人とAIのインタラクションを通じて人と人のコミュニケーションを次のフェーズへ進化させるべく、「すべての組織とすべての人にAIキャラクターを」をビジョンに、これから多様な個性を持ったAIキャラクターを世に生み出していくと述べている。
https://corp.rinna.co.jp/partner/
rinna株式会社