アイリスオーヤマとソフトバンクロボティクスは合弁会社「アイリスロボティクス株式会社」を2021年2月1日に設立することを発表した。出資比率はアイリスオーヤマが51%。
当初はソフトバンクロボティクスが開発した「Whiz i」「Servi」をもとに、アイリスロボティクス仕様として、アイリスオーヤマグループの販路を中心に販売展開する。
記者発表会が行われ、アイリスオーヤマの大山社長、ソフトバンクロボティクスグループの冨澤社長らが登壇した。新しく創設したアイリスロボティクスはソフトバンクロボティクスが販売してきたこれらのロボットに対して、実用的な機能の追加開発や販売・サポートを行っていく。アイリスオーヤマが商品化しているLED照明とロボットを連携させたり、防犯対策等に活用できるようなオプション展開も予定しているという。
売上げは初年度は50億円、2025年には累計で1000億円を見込む。また、2022年のQ4には、新型のロボットを投入する考えだ。
ロボットに多様な付加価値を提供
国内の深刻な人手不足に加え、新型コロナウイルス感染の拡大と長期化により、企業には一層のコスト削減や他社と差別化できる高度な付加価値の提供が求められている。そのため、企業における単純作業や定型業務はロボットを活用することでコストを最小化し、付加価値を生む高度な業務はデジタルトランスフォーメーションを推進するなど抜本的な構造改革が必要と見ている。
今回設立するアイリスロボティクスは、新商品開発力とメーカーベンダー(製造業と卸業の融合形態)による広範囲の販売ネットワークを通じて様々な業界における知見を持つアイリスオーヤマと、AIロボットOS分野で高い技術を持つソフトバンクロボティクスグループが提携することで、法人向けサービス・ロボット分野での市場創造を目指す。
また、新型コロナウイルス感染症による雇用や就業に関して生じている様々な課題や若年層の雇用問題などの社会課題に対して「ロボットオペレーター」の創出といった新たな労働市場や雇用機会を創造することで、日本の企業と社会が抱える課題解決に貢献する。
3つの事業を展開
アイリスロボティクスは以下の3つの事業を展開する。
1.法人向けサービス・ロボットの提供と販売
・AI除菌清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」
Whiz iは自律走行が可能な乾式バキュームクリーナーのAI除菌清掃ロボット。掃除業務の自動化だけでなく、空間浮遊菌量の削減や床面のウイルスを含む菌の削減効果が期待されることに加えて、様々な外部機器と接続できるコネクタによりスピーカーやカメラを用いた販促やマーケティングへの活用といった清掃にとどまらない多様な付加価値を提供する。
・Servi アイリスエディション
Serviは飲食店やホテル・旅館、小売店などで従業員と共に働くことを目的に開発された配膳・運搬ロボット。簡単な操作で配膳・運搬ができ、従業員がより多くの時間を接客に充てることができる。飲食業界への市場創造に加えて、屋内配送の可能性がある産業を中心に新たな活用を提案する。さらに音声案内や決済連携、画像認識などの機能追加による新たな付加価値と市場創造を行う予定。
2.サービス・ロボットによる業務変革ソリューションの提案
サービス・ロボットを業務に取り入れる際に必要になる業務設計コンサルティング・定着化支援のほか、ロボットオペレーターの派遣等、業務のロボット化に伴い必要となるトータルソリューションを提供する。
3.サービス・ロボットの新商品開発
各業界のニーズを踏まえて掃除ロボット、配膳ロボットに続く法人向けサービス・ロボットを開発し、グローバルに提供していく。
代表取締役社長からのコメント
アイリスオーヤマ 代表取締役社長 大山 晃弘氏は次のように述べている。
ソフトバンクロボティクスグループ 代表取締役社長 兼 CEO 冨澤 文秀氏は次のように述べている。
【アイリスロボティクス株式会社 概要】
会社名 | アイリスロボティクス株式会社 |
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所在地 | 宮城県仙台市青葉区中央2丁目1番7号 |
出資金 | 1,000万円 |
設立日 | 2021年2月1日 |
株主 | アイリスオーヤマ株式会社(51%)、ソフトバンクロボティクスグループ株式会社(49%) |
事業内容 | ・法人向けロボットの販売 ・ロボットを活用した業務変革コンサルティング ・新規サービス・ロボットの新製品開発 |
代表者 | 代表取締役社長 大山 晃弘 氏 |
従業員数 | 20名 |