ホテルのロビーや客室、トイレ等を大規模に紫外線照射で除菌 自動運転の除菌ロボットの運用試験をAFSが実施
日光消毒にみられるように、太陽光には殺菌力がある事は一般的に知られている。
これは紫外線によるもので、もっとも強力な波長260nm付近の紫外線では、直射日光(波長350nm)の1600倍にもなる。紫外線による殺菌は、二次汚染がなく、耐性菌を作らないことより、幅広い分野で注目を集めている殺菌方法だ。その一方で、紫外線照射の殺菌は、人の目や肌にも影響を及ぼす可能性があり、取り扱いには慎重にならなければいけない。
外食企業向けITシステムを提供している株式会社アルファクス・フード・システム(AFS)は、作業をロボットが行うことで、手軽に紫外線による表面環境対策ができるとして、昨年11月に除菌ロボット紫外線照射型の販売を開始。同ロボットの本格販売に向け、同社保有のホテル「ナチュラル・グリーンパーク・ホテル(山口県山陽小野田市)」の電気及び各種設備のメンテナンス休館日であった2021年1月25日に、同ロボットの大規模な運用・実証試験を行ったことを発表した。
同運用・実証試験は、共同のトイレや障碍者用トイレ、客室、温泉浴場の脱衣場、ホテルのフロントロビー、施設内のカフェなどホテル内のあらゆる場所で行なった。これにより、同社は、導入企業へのより良い運用アドバイスと、除菌ロボットを検討されている利用者への提案の精度向上が見込めたと述べている。
同社の除菌ロボット(紫外線照射タイプ)とは
試験で利用した除菌ロボットは、紫外線(UV-C)光照射器を搭載した除菌AIロボットだ。 紫外線(UV-C)はスペクトル線 253.7nm、185nm を使用。除菌力が高いスペクトル線が菌細胞内のデオキシリボ核酸へ作用し、DNA を損傷(チミン二量体を生成)することで除菌効果を発揮し、空気中の酸素からオゾンを生成。オゾンでの脱臭・除菌効果も期待できる。また、紫外線照射型ロボットは、紫外線照射管がむき出しであったりロボットの体をなしていない機種が多い中、同社のロボットは、日中、人がいる時に室内のインフォメーションや感染予防行動の奨励や注意喚起、自身の除菌作業のアピール等幅広いインフォメーションに対応が可能だ。
同試験では、紫外線強度計などを活用し、紫外線の強度の測定や生成されるオゾンとのダブル殺菌などの活用・客室(畳)での使用に関するガイドラインや、次亜塩素酸ナトリウム配合スプレーを利用しての客室除菌時間の比較など、様々なデータや運用例を集めることができた。、また、同試験を実施した社員らは、改めて、紫外線殺菌で行う環境表面のケアには自律歩行のロボットの活躍が適していると実感したと述べている。
株式会社アルファクス・フード・システム