ソフトバンクロボティクス株式会社は2021年2月16日から配膳・運搬ロボット「Servi」(サービィ)の販売を開始したことを発表した。
配膳・運搬ロボット「Servi」について
「Servi」は飲食店やホテル・旅館、小売店などで従業員と共に働くことを目的に開発された配膳・運搬ロボットで、店舗の業務効率化や顧客満足度の向上に加えて、来店客との直接的な接触を削減するなど、ニューノーマル時代に合った使い方が可能。
2020年9月の発表以降、全国のさまざまな店舗で「Servi」の実証実験を実施し、すでにファミリーレストランや焼き肉、ラーメン、定食、回転寿司などのチェーン店、ファインダイニングなど、幅広い飲食業態での導入が決定している。さらに小売店や、宿泊、商業・娯楽、倉庫、オフィスなど、さまざまな施設での導入も始まっており、これまでに約100ブランドでの導入が決定し、多方面からの要望がある。
ユーザーの環境に合わせてより快適に「Servi」を利用してもらうために、スープなどの不安定な提供物をより安定して運搬するための「アシストプレート」、遠くからでも操作が可能な「遠隔コントロールタブレット」、下げ膳を補助する「バスケット(上段用・下段用)」などのオプション品も提供していく。
さらに今後、下げ膳時などに活用できる積載重量を検知して自動で指定の場所へ戻る機能の追加や、ビールなどのドリンクの運搬を補助する「ドリンクホルダー」といった新しいオプション品も展開する予定。ソフトバンクロボティクスはロボットによる新時代の接客の形を提案していくと同時に、人手不足・生産性向上などの課題解決をサポートしていくとしている。
「Servi」の特長
「Servi」は開発において国内外の多くの飲食店で長期にわたる実証実験を行い、現場で本当に求められる機能を充実させている。主に3つの特長がある。
1.高い移動性能
3DカメラやLiDARなど高性能の各種センサーを装備し、スムーズかつ安全な移動を実現。前方死角なしで、人はもちろん、靴やかばんなど、小さな物を滑らかに避け、料理などを安定的に運ぶ。60cmの狭い通路も通り抜け可能で、人とのすれ違いもスムーズ。(利用の環境や利用方法によって通過できる幅は異なる)。
2.導入ハードルが低く、操作もシンプル
テーブルや天井に目印などを設置する必要がないため、容易に導入可能。目的地を選んでタップするだけのシンプルな操作で、指定した場所へ自動で移動する。配膳・運搬後は重量センサーが料理などが受け取られたことを検知して自動で戻る。
3.実店舗での使いやすさを追求
360°どこからでも料理などの運搬物を載せられ、総積載量も最大30kgと、重い食器や複数の料理なども一度に配膳することが可能。さらに、複数の目的地の巡回機能で商品の訴求をしたり、遠隔で操作したりもできるなど、お店のシチュエーションに合わせて柔軟に活用できる。
「Pepper PARLOR」で体験会を実施
ソフトバンクロボティクスが運営するカフェ「Pepper PARLOR」(東京都渋谷区)で「Servi 体験会」を実施している。体験会では機能紹介だけでなく、タッチ&トライ、「Servi」による料理配膳などを来店客視点で体験できる他、店舗環境やオペレーションに合わせた活用方法を疑似体験することが可能。現地での参加だけでなく、オンラインでも参加できる。なお、会場を全国主要都市に拡大していく予定。
ソフトバンクロボティクスのロボット戦略 ニューノーマル時代に向けて配膳/運搬ロボット「Servi」発表、清掃・人型ロボットの現状を聞く
ソフトバンクロボティクスが配膳ロボット「Servi」(サービィ)を公開 デニーズ、とんでん、焼肉きんぐ、コスモポリタン等が導入
広瀬すずが自動運転の配膳ロボット「Servi」を体験 感想は? 大好物の料理に笑顔で仰天 ソフトバンクロボティクス発表会
【仕様】(予定)
本体サイズ | 幅:約462mm × 奥行き:約486mm × 全高:約1,046mm 下段のサイズは幅:約445mm、奥行き:約430mm |
---|---|
トレー寸法 | 上段/中段:直径400mm(底面:直径376mm)) 下段:直径368mm(底面:直径322mm) |
本体重量(バッテリー内蔵) | 約35kg |
ナビゲーション方式 | SLAM |
言語対応 | 日本語 / 英語 / 韓国語(言語設定を切り替えると、タッチディスプレーと発話音声の言語が切り替わる) |
技適・認証 | TELEC認証(Wi-Fi) PSE認証(本体バッテリー/充電器) |
最大積載重量 | 合計最大30kg ・トレー別 上段/中段:最大10kg 下段:最大25kg(利用環境や利用方法によって積載可能な重量は異なる) |
検知可能な障害物の高さ | 4cm以上(利用環境や障害物の素材・色によって検知可能な障害物の高さは異なる) |
検知不可な物や素材 | 透明なガラスやアクリル、鏡などはセンサーで検知できない |
走行可能な通路幅 | 60cm以上(利用環境や利用方法によって通過できる幅は異なる。また、新規に店舗設計される際の推奨通路幅に関しては、環境や利用方法によって異なるため、別途お問い合わせください) |
走行速度 | 時速約2km(初期導入時にユーザーの環境に合わせて速度を設定する) |
安全機能 | 障害物検知(LiDARセンサー、3Dカメラ) 段差検知(3Dカメラ) |
走行可能な床 | フラットな床(凹凸がないこと(目安0.5cm以下)) |
通信方式 | Wi-Fi |
Wi-Fiルーター設置環境 | ・Serviの利用にはインターネット環境および有線LANポートが必要 ・AC電源ソケット:100V ~ 240V AC ・ルーター設置スペース(本体大きさ:77mm × 280mm × 169mm) ・周囲に障害物がなく、高さ1m以上推奨 ・水回りを避けて設置する |
Wi-Fi推奨規格 | 通信規格:802.11 ac/a/b/g/n 周波数帯:2.4GHz / 5GHz |
充電器定格入力 | AC100~240V 50 / 60Hz |
充電器定格出力 | DC28.6V/8A |
充電時間 | 約4時間 |
連続稼働時間 | 約12時間 |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー |
付属品 | 充電器、電源ケーブル、フードトレー(上段 / 中段用)×2、バスケット(下段用)、専用Wi-Fiルーター、クイックガイド 注1)製品は利用の環境や方法によって表記の仕様と異なる場合がある。 注2)仕様・外観は予告なしに変わることがある。 |
料金 | 3年レンタルプラン 月額料金 9万9,800円(税抜) (料金には、機器本体および機器付属品のレンタル、ソフトウエアおよびクラウドサービスの利用、保守費用が゙含まれる) |
製品ページ | https://www.softbankrobotics.com/jp/product/servi/spec/ |
ABOUT THE AUTHOR /
山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。