子ども向けSTEAMプログラミング教育を行う株式会社プロキッズは、兵庫県姫路市と連携し、農業ロボット「ファームボット」の教材を制作し、授業を国内で初めて公開した。
今回の事業は内閣府の地方創生推進交付金事業「スマート市民農園×STEAM教育による地域に根付くアグリテックの担い手育成事業」の一環として、農福連携×農業版STEAM教育として実施している。リモートでファームボットを操作する姫路市の書写養護学校の生徒に対して、講師もリモートで授業を実施した。
遠隔操作で水やり・土壌の水分をセンサーで計測
ファームボットはオープンソースで、コンピュータ制御する精密農業ロボット。種まき・水やり・雑草の除去などを自動で行うことができる。授業ではプロキッズのオンラインプログラミングスクールのノウハウを活かし、コロナを配慮して完全リモートで実施。さらに、いつでもどこでも生徒が学び、その学習進度も把握しやすいよう「Code Land」という教材プラットフォーム上での教材閲覧し、学習をスムーズに行える環境を整えた。また、ファームボットのようなハードウェアでも動きを理解できるよう、動画も活用した。
授業当日は中学部の生徒達が教室のパソコンから中庭に設置してあるファームボットのアームを遠隔操作で動かし、植物に水やりを行う操作などを学んだ。また、週末に学校に登校しなくても水やりができるよう自動設定を行い、農家の負担になる水やり作業を自動化することで、農業の負担軽減を肌で感じた。他にも、水やりをしすぎて根腐れしないよう、土壌の水分をセンサーで計測する方法も学んだ。
ポイントとしては農業に関する最新技術を活用する体験を通して、農業と新たな技術に対する興味喚起を促すこと。単なる農業体験で終わらないよう、ファームボットなど最新の農業ロボット技術の仕組みの理解を深めた上で、IT技術と組み合わせた新たな農業に触れる体験を提供し、農業のビジネスとしての可能性を肌で感じてもらう。
今回の授業では土壌の水分量をデータとして活用するなど、データ駆動型農業の可能性を体験。授業に参加した生徒達からは「最初は難しそうだと思ったけど、実際にやってみると簡単だった」といった感想があった。
プロキッズは今後も農業版STEAM教育を通じて、ITを活用したスマート農業の実現を目指すことができるアグリテック人材(農業の課題を最新テクノロジーで解決する人材)を育成し、未来に貢献していきたいとしている。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。