亡くなった人を家庭用ロボットで再現 四十九日まで遺族と寄り添う「デジタルシャーマン」動画を公開 角川アスキー総合研究所

既存の常識にとらわれず、独創的なことを考え自ら実行する、異能なチャレンジを支援する「異能(Inno)vation」プログラムにて、株式会社角川アスキー総合研究所は、毎年ICT分野における様々な技術課題への挑戦を支援している。

同プログラムの一環として、複数言語に対応したウェブサイト「InnoUvators」において、同プログラム卒業生たちによる、技術課題への挑戦を短時間のムービーで紹介するなど、挑戦を続ける卒業生の今後の活躍につながる情報を随時発信しており、2021年2月24日、同サイトにて、家庭用ロボットを用いて身近な人の“死”と向き合う新たな試みを紹介するムービー「デジタルシャーマン:Digital Shaman Guides Mourning Process」を公開した。


今回のプロジェクトムービーは、平成28年度の異能vationプログラムにて「デジタルシャーマン・プロジェクト:家庭用ロボットへの故人の身体的特徴のインストール」に挑戦したメディアアーティスト、市原えつこ氏が取り組む、現代的な“弔い”の形を提案するものだ。
なお、同ムービーは英語のナレーションとなっており、「InnoUvators」サイト内でも公開されているが、今回同社が公開したムービーは日本語の字幕版がついているため、日英いずれの言語でも楽しめる。

■【動画】大切な遺族に寄り添える、デジタルシャーマン:Digital Shaman Guides Mourning Process




デジタルジャーマンとは

家庭用ロボットに故人の身体的な特徴を取り込み、インタラクティブなコミュニケーションを実現するデジタルシャーマンは、仏教において故人が仏のもとに旅立つとされる49日間稼働。その間、ロボットが遺族と寄り添うことによって心の整理を手伝う。デジタルシャーマンへは、故人の生前にあらかじめ取得しておいた音声データやモーションキャプチャーによる身体データなどをインストール。3Dスキャンによって作成したフェイスプリントを装着するなど、一連のシステム開発によって大切な人の不在に向き合う新たな仕組みづくりを目指す。


市原えつこさん(メディアアーティスト)

早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。Yahoo! JAPANで勤務後、現在はフリーランス。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作、世界中のメディアに取り上げられている。2017年、第20回文化庁メディア芸術祭優秀賞。2018年、世界的なメディアアート賞アルスエレクトロニカで栄誉賞を受賞。2020年には、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の日本館基本構想ワークショップの有識者にも選出される。


異能(Inno)vationプログラムとは

ICT(情報通信技術)分野において、破壊的価値を創造する、奇想天外でアンビシャスな技術課題への挑戦を支援する「破壊的な挑戦部門」。「ちょっとした、けれども未来がより良くなるような独自のアイデア」や「自分でも一番良い使い方がわからないけれど、こだわりの尖った技術やモノ」、「自らが発見した実現したい何か」などを表彰する「ジェネレーションアワード部門」にて、破壊的なイノベーションを生み出すような挑戦を支援するプログラムだ。破壊的な挑戦部門では、各分野のトップランナーがスーパーバイザーとして関わっており、現在は、プログラムのさらなる地球規模展開と海外企業とのマッチングを広げるための取り組みを開始している。
 
   

Innovationプログラム: https://www.inno.go.jp/
InnoUvators(InnoUvatorsの挑戦紹介動画):
https://innouvators.com/ja/


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ロボスタ編集部

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