ケイアイスター不動産のグループ会社Casa robotics株式会社(カーザロボティクス)は、株式会社インディ·アソシエイツが開発した遠隔操作ロボット「MORK」(モーク)を使った住宅展示場用接客ロボットの共同開発に合意したことを発表した。両社は2021年3月より、規格型平屋注文住宅「IKI」(イキ)の展示場において実証実験を開始しており、今後は無人での内覧や非接触営業の促進のため、住宅展示場に特化したモデルを開発し、2021年夏の実践投入を目指す。
共同開発の背景「コロナ禍で無人内覧の要望が増加」
カーザロボティクスが運営するIKI展示場では2020年8月以降、自社サイトを通じて内覧を申込みしたユーザーのうち、約半数が無人内覧を希望した。この背景には営業担当者に気兼ねせずゆっくりと展示場を見たいという体験型嗜好の高まりや、新型コロナ感染拡大期における非接触型営業へのニーズの高まりがあると同社は考えた。
そこで、2021年3月5日~7日、インディ·アソシエイツの協力のもと、同社が開発した遠隔操作ロボット「MORK」(モーク)を群馬県前橋市にあるIKIの展示場「ひら家がミレルン!前橋展示場」に配備し、ロボットによる非接触営業の実証実験を実施。実験結果を受け、カーザロボティクスとインディ・アソシエイツは今後接客ロボットの市場を拡げるため、住宅展示場用に特化したロボット(住宅展示場モデル)の共同開発に合意することとなった。
空港、ホテルで導入されてきた「MORK」を住宅展示場へ初導入
MORKはAIなどを使った自動的に動作する自律ロボットではなく、インターネットを通じて遠隔から実際に人が操作するロボット。AIではできない、きめ細やかなコミュニケーションが可能で、スキルのあるスタッフであれば場所を問わず接客できるため、リモートワークを希望するスタッフをオペレーターとして継続的に雇用できるほか、移動や待機の時間を減らすことで、大幅な効率化も望める。これまで「MORK」は、空港やホテルなどで導入されてきたが、住宅展示場への導入は今回が初めてとなる。
実証実験ではカーザロボティクスの社員がロボットを操作し遠隔で案内。社員がロボットになり切って操作することにより、ユーザー役からは、終始人間の介在のない、純粋なロボットによる接客と間違われるほどの成果を得ることができたとしている。
2021 年夏には住宅展示場に特化した接客ロボットを本格展開
今後はカーザロボティクスが提示する基本要件に合わせ、インディ・アソシエイツが住宅展示場モデルを設計・開発していく。そして試作モデルにて接客シミュレーション等を行い検証しながら、カーザロボティクスとインディ・アソシエイツが共同で住宅展示場に特化した遠隔操作ロボットを完成させる。
両社は2021年夏ごろを目途に、住宅展示場モデルの実践投入を目指す。さらに、カーザロボティクスはインディ・アソシエイツが製造する住宅展示場モデルを自社の住宅展示場で活用するだけでなく、他社の住宅展示場やモデルルーム向けに販売し、収益化することを目指す。
カーザロボディクスについて
カーザロボディクスは家を選ぶという大きな決断をする中で、身近な場所で実物のモデルハウスを見ることが重要と考えIKI展示場の名称を「ひら家がミレルン!展示場」とし、3カ所の営業所で8カ所(4月中に12カ所の予定)の展示場を運営している。「ひら家がミレルン!展示場」ではリアル体験と情報化の融合をユーザーに寄り添って実現するため、画面を通じてコミュニケーションが可能なITテクノロジーを導入し、少ないスタッフで効率の良い運営が可能になっている。
今後もカーザロボディクスでは、多様化する住宅購入者のニーズに対応できるよう様々なテクノロジーを導入し、購入者に寄り添ったサービスを拡充すると当時に、ローコストオペレーションの追求により求めやすい価格での住宅商品提供を目指す。また、近年、住宅の新築着工棟数の10%以上を平屋が占めるなど、平屋の需要が旺盛な状況の中、共同開発する接客ロボットの活用によって、早急な全国展開を目指していく。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。