ボストンダイナミクスは、いよいよロジスティクス業界において現実的な自動化ロボットソリューションの開発を進めることに決めたようだ。同社が新しく発表した「Stretch」(ストレッチ)はボックス移動型のロボットで柔軟なアームを搭載している。
コロナ禍にあってeコマースの需要の急拡大に伴って急成長している物流市場、特に倉庫の自動化への正式な参入も示唆した。
■ 動画
同社はプレスリリースで「ストレッチはボストンダイナミクスの最初の商用ロボットであり、倉庫施設と配送センター向けに特別に設計された多目的移動ロボットだ。この多目的移動ロボットは、迅速なボックス移動が必要な多くのタスクに対応できるように設計されている。最初はトラックの荷降ろしから始まり、注文の作成にまで展開できるだろう。 ストレッチのテクノロジーは、ボストンダイナミクスのロボット工学における数十年の進歩に基づいて構築されており、あらゆる倉庫で機能して商品の流れを増やし、物理的に困難なタスクでの従業員の安全性を向上させ、高価な固定自動化コストを削減できる、柔軟で簡単に統合できるソリューションを作成する」としている。
ここまではいつものエンタメ的なパフォーマンス紹介・・ここからは動画でストレッチの機能が具体的に公開されていく。
ブレスリリースでは概ね次のように続けている。
「ロボットの移動機構は小型で、全方向性のモバイルベースにより、Stretchは積み込みドックをナビゲートし、狭いスペースでも操縦したり、施設のレイアウトの変更に適応できるため、コストのかかる固定自動化インフラストラクチャが不要になる。
カスタム設計された軽量アームと、さまざまな箱入りおよびシュリンクラップされたケースを処理できる高度なセンシングとコントロールを備えたスマートグリッパーが装備されている。
Stretchには、Boston Dynamicsのコンピュータービジョンテクノロジーも搭載されている。これにより、顧客ごとに広範なトレーニングを行うことなく、荷物を簡単に識別できる。そのビジョンシステムは、ピックアンドプレースアクティビティと連携して機能し、高いピックアップ率を可能にしている。
従来の倉庫の自動化アプローチでは、商品を運ぶ固定インフラストラクチャまたは移動ロボットの設置作業が必要でそれなりに投資が必要だ。Stretchは、コストのかかる再構成や新しい固定インフラストラクチャへの投資を必要とせずに、既存の倉庫のスペースと運用の範囲内でロボットが作業できるので、ロジスティクスプロバイダーにとっては自動化導入の壁を低くするだろう。
ボストンダイナミクスのCEO、ロバートプレイター氏は、次のように述べている。
ロバートプレイター氏
移動ロボットは、材料の柔軟な移動を可能にし、従業員の労働条件を改善します。 Stretchは、ボストンダイナミクスの機動性、知覚、操作の進歩を組み合わせて、最も困難で怪我をしやすいケース処理タスクに取り組んでいます。これが機能するのを楽しみにしています。
Boston Dynamicsは現在、2022年の商用展開に先立ち、トラックの荷降ろしタスクを伴うStretchのパイロットテスト「StretchEarlyAdopterプログラムへの参加」をクライアントに提案しているという。
www.bostondynamics.com/stretch