パナソニックが「CO2ゼロ工場」を中国で実現 双腕ロボットや画像検査システムを導入「パナソニック環境ビジョン2050」

パナソニックは、中国江蘇省のパナソニック エナジー無錫有限会社(PECW)において、中国でパナソニックでは初となる「CO2ゼロ工場」を実現したことを発表した。

パナソニックは環境経営における長期ビジョン「パナソニック環境ビジョン2050」を2017年6月に策定、2050年に向けた環境経営の目指す方向を明確に定めて活動している。その活動の一つ、持続可能な社会を目指した事業推進の位置付けとして、工場の操業においてCO2を排出しない「CO2ゼロの工場づくり」をグローバルで目指す、としている。
これまでグローバルで6つの「CO2ゼロモデル工場」と「CO2ゼロショウルーム」を実現してきたが、このノウハウを展開することで中国においてもCO2ゼロ工場を実現した。



双腕ロボットや画像検査システムを導入して自動化

PECWでは、主にリチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの二次電池を製造する。従来の手作業と目視検査を「双腕ロボット」と「画像検査システム」に置き換えて、自動組み立てラインを2018年に導入、高品質かつ高効率なモノづくりへの革新に取り組んできた。
CO2ゼロを実現した具体的な施策としては、工法・工程の革新や先進的な省エネ技術の導入、LED照明の導入などで、より少ないエネルギーでモノづくりをする「エネルギーミニマム生産」の推進を行なった。
また、太陽光発電システムの導入、I-REC証書の調達、さらに化石燃料由来CO2の排出をオフセットするクレジット、屋根貸しスキームの活用なども用いている。


2020年実績は約4.4万トンのCO2排出だったが、実質的にゼロとし、これまで実現してきたパナソニックのCO2ゼロ工場の中で最大の規模となるとしている。

パナソニックは「これらの取り組みをグローバルに展開することで「パナソニック環境ビジョン2050」で掲げる、持続可能な社会を目指したCO2を排出しないモノづくりを着実に推進します。今後は、省エネルギーの取り組み強化、地中熱など再生可能エネルギーのさらなる活用や、化石燃料より排出されるCO2を吸収し分離・活用する技術の導入など、自社開発技術を活用した施策も推進してまいります」とコメントしている。


PECWのCO2ゼロ工場実現に向けた具体的な取組みについて

1. エネルギーミニマム生産の推進
・双腕ロボット主体の自動生産ライン構築(2018年度~)
 従来同等の消費エネルギーで生産能力10%向上、工程不良削減にも寄与
・AIを用いたスマートEMS省エネ自動制御の導入(2019年度~)
 導入した工程で最大14%の省エネ
・集塵機、ポンプ、排気ファンのインバータ化(2016年度より10台実施完了)
 運転周波数約10 Hz削減、CO2削減330 t-CO2/年
・インバータ式コンプレッサ、真空ポンプ導入(2017年度より3台実施完了)
 インバータ化による省エネ、CO2削減330 t-CO2/年
・LED照明の導入(2018年度~)
 蛍光灯、メタルハライドランプ、ダウンライト等、合計13,725か所の交換を完了
2. 太陽光発電システムの導入(2016年度導入、発電容量1.6 MW)
3. I-REC証書の調達
4. 化石燃料由来CO2の排出をオフセットするクレジットの調達

これまでに実現したCO2ゼロモデル工場とCO2ゼロショウルーム
パナソニック エコテクノロジーセンター株式会社(PETEC)、パナソニック エナジーベルギー株式会社(PECBE)、パナソニック ブラジル有限会社(PANABRAS ※サンジョゼ、エストレマ、マナウスの計3工場)、パナソニック セントロアメリカーナ株式会社(PCA)、パナソニックセンター東京

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ロボスタ編集部

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