一般社団法人Japan Innovation Challengeはドローンによる夜間の捜索支援サービス「NIGHT HAWKS」(ナイトホークス)の提供を2021年5月1日(土)より開始することを発表した。
「NIGHT HAWKS」は夜間の遭難救助をドローン活用により支援し、遭難者の早期発見に貢献するサービス。24時間対応で受付を行い、ドローンスペシャリストが現地へ急行。赤外線カメラで撮影・データ解析・報告までを対応する他、ドローンに搭載した照明を用いた捜索隊の誘導等も可能。必要機材は「NIGHT HAWKS標準システム」として常備し、捜索支援時に最適な状態で使用できるように整備されている。
「NIGHT HAWKS」提供の背景
高齢登山者や外国人旅行客の増加により、遭難者、負傷者、死者、行方不明者は増加傾向にある。救助要請は夕方になることが多く、現状では日没後は2次災害の危険があるため、人手、ヘリコプターを使った捜索活動が行えない。一方で生存可能性が高いのは遭難発生から72時間以内とされており、より初期に捜索できることが救出の可能性を上げる。そこで「NIGHT HAWKS」では自治体と締結し直接連絡を受けることで、夜間の捜索支援への出動をスピーディに行う。ドローンを活用し、上空から赤外線撮影を行うことで遭難者の早期発見に貢献することを目指す。
「NIGHT HAWKS」最初の提供先自治体は、2020年に合同で行った夜間の捜索実証実験の実施地である、北海道上士幌町。上士幌町には捜索支援に必要な車両やNIGHT HAWKS標準システムを常備する。
今後、2021年中にNIGHT HAWKS標準システムをフルで活用し、現地捜索本部の支援になるように、ドローンスペシャリストと共に積極的に活動していく。また、東北・関東甲信越地域でもサービスを提供できるように整備を進めていくとしている。
「NIGHT HAWKS」実施内容
「NIGHT HAWKS」はドローンを使った遭難における捜索支援を目的とし、下記を実施する。
1.遭難発生時、協定締結自治体からの支援要請を24時間対応で受付
2.遭難場所、遭難状況などから適切なドローンスペシャリストを現地に派遣
3.現地捜索本部の指揮・命令の下で以下を実施
(1)撮影:ドローンの赤外線カメラを用いた夜間での撮影・データ解析・報告
(2)捜索支援:ドローンに搭載した照明を用いた夜間での捜索隊の誘導等
4.報告書の作成・報告
5.捜索支援に必要なドローン、カメラ等の必要な機材・ソフトウェア・手順をNIGHT HAWKS標準システムとして整備
機材、ソフトウェア、手順等を「NIGHT HAWKS標準システム」として地域に常備する。NIGHT HAWKS標準システムには運用・訓練、保守・点検を含み、捜索支援時に最適な状態で使用できるよう維持・管理されている。
・サービス提供期間は5月~10月末を予定。
・支援要請があっても、要員調整等の都合によりドローンスペシャリストを派遣できない場合がある。
・大雪や豪雨、強風などの気象条件や遭難発生現場の地形等の条件により支援ができない場合がある。
・現地での支援は遭難発生から72時間を限度に日没~日の出までの時間帯で行う。具体的なフライト回数、フライトプラン等は、支援開始前に現地捜索本部の担当者と協議の上取り決める。
・現地捜索本部の指揮・命令のもとで、ドローンによる夜間撮影・データ解析・報告を行う。
・遭難者の発見は責任範囲としない。
夜間の捜索支援サービス「NIGHT HAWKS」
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。