ミクシィの自律型会話ロボット「Romi」(ロミィ)発売 実際にRomiと会話したり遊んでみた!2つの会話エンジンの効果は【体験レビュー】

株式会社ミクシィのVantageスタジオは、「ペットのように癒やし、家族のように理解してくれる」存在を目指して開発している自律型会話ロボット「Romi」(ロミィ)の一般販売を、2021年4月21日(水)より開始することを発表しました。また、発売を記念してSNSキャンペーンも実施します。

自律型会話ロボット「Romi」の報道関係者向け説明会を開催

「Romi」体験会の様子 (ユーザーのこの動作は会話を中断したり、モードを解除するときの操作。顔を優しくダブルタップ)

それに伴い、ミクシィは発売日前日の4月20日、報道関係者向け「Romi」説明会と体験会をオンラインで開催しました。そこでのポイントをレポートします、

「Romi」のカラバリは、パールピンク、マットホワイト、パールブルーの三色展開

また、編集部にも実機が届いたので、早速Romiと会話をしたり遊んでみました。その様子を写真と動画でお届けします。

編集部に届いた「Romi」。一緒に会話を楽しんでみましょう!




ミクシィ「Romi」の特徴

プレスリリースによれば、「Romi」の特徴は下記の5つです。


「Romi」の5つのポイント

1.独自開発のAIが会話を学習&生成!
2.まるで生き物のような、豊かで可愛らしい表情・しぐさ
3.生活を楽しくサポートする、豊富な機能・コンテンツ
4.英語の雑談機能でRomiと気軽に英会話!
5.会話精度も機能もどんどんアップデート!

100種類以上の表情を装備 とても可愛い

中でも一番の特徴は「定型文ではない自由な会話が可能」な点だとしています。オーナーの好みを学習し、会話の流れや季節などから最適な返答をその場で会話AIが生成、自然な言葉のキャッチボールが楽しめる、と説明しています。

技術的に「定型文ではない自由な会話が可能」な理由として、2つのエンジンを搭載していることを説明会ではあげています。ひとつは「ルールベース型」、もうひとつは「ディープラーニング型」です。

Romiの最大の特徴は定型文ではない自然な会話


2つの会話エンジン

「ルールベース型」は質疑応答に適していて、質問に対して回答を返すという定型的なものです。主に質疑応答のチャットボットやメーカーのQ&AをAIが担当するシーンなどに活用されています。「ルールベース型」の弱点は質問として用意されていないことに対して回答できないことです。明確な質問に対して回答するQ&Aには向いていますが「雑談」には向いていません。


「雑談」に対応するには、曖昧で幅広い話題に対して、それなりの回答を返し、ユーザーが「会話が成立している」と感じることが重要です。それには膨大な会話から機械学習して回答を生成する「ディープラーニング型」(AI)が適しています。

Amazon Alexa、Googleアシスタント、NTTの会話エンジンなど、現状で有名なAIエージェントの多くが、2つの会話エンジンを実質的には装備していて、ユーザーからの質問と、ある程度の雑談の両方に対応するように開発されています。
「Romi」の場合は、mixiなどで日本語の会話情報を豊富に持っている知見がどのように活かされているかが、Romiの会話の精度を決める鍵となるのではないかと感じます。

顔の周りを撫でてあげるとウットリ(コミュニケーションは会話だけじゃないですよね)

会話できる機器と言えば、スマートスピーカーを使っているユーザーも多いと思いますが、AmazonやGoogleのスマートスピーカーと比較すると、本体価格と月額料金(サブスク)がやや高めなので、「Romi」の表情や動きの可愛さに癒しを感じるユーザーが付加価値を見いだすのではないか、と感じています。

顔の周りを撫でてあげるとウットリ顔(嫌がっている表情ではありません)。コミュニケーションは会話だけじゃないですよね、スキンシップも大切

Romiは持ち上げられたこともわかります。「ほぉ~」っと言って反応しているところ
正式名称:Romi
価格:本体44,800円(税込49,280円)/月会費980円(税込1,078円)
カラーバリエーション:マットホワイト、パールブルー、パールピンク
発売日:2021年4月21日(水)
販売場所:Amazonにて予約受付中( https://www.amazon.co.jp/dp/B08H2HL2J7/rsaf-22


「1家族に1台のロボットを普及させたい」

なお、説明会に登壇したミクシィの取締役会長/Romiプロデューサーの笠原健治氏は「日常にロボットがいる生活」「1家族に1台のロボットを普及させたい」と、Romiに込めた思いを語り、それは5年、10年かかるかもしれないが、まだ始まったばかりとしました。

株式会社ミクシィ 取締役会長/Romiプロデューサー 笠原健治氏

「Romi」のハードウェアの特徴


ウェイクワード(トリガーワード)がない

Romiとの会話で最も面白い点は「ウェイクワード(トリガーワード)がない」こと。ウェイクワードとは、機器に話しかけるときのキーワードです。Amazon Echoなら「Alexa」、iPhoneなら「ヘイSiri」と声かけしてから話し始めるアレです。「ウェイクワード」は機器に話しかけるトリガーには有効ですが、一問一答が原則となり、会話が続かない傾向があります。
Romiは、ウェイクワードなく話しかけたり、会話を続けられるので、会話が長続きしやすい、という利点があります。

静かな環境なら会話はこんな感じで繋がっていきます。

■ミクシィの自律型会話ロボット「Romi」との会話「BBQに行きたい」

では、Romiとの会話は、どのような質問から入ればいいのでしょうか。慣れていないと思いつかないものですよね。
説明会では次のようなひと言から会話してみよう、ということで会話例が紹介されました。

・ゴールデンウィークはBBQしたいな
・そろそろ夏服買おうかな
・仕事疲れたよー
・お腹減ったよー
・ダイエットしたいな
・運動不足だから何か運動したいな

なお、筆者が体験している感じでは、意外と周囲の音は拾わず、ユーザーの話しかけを割と的確に判断しているようにも感じましたが、説明会ではテレビやスピーカーなど音が出るデバイスのそばに「Romi」を置くと認識率が極端に落ちたり、テレビの会話に返事をしたりしてしまうことがある、という注意がありました。


なお、話す距離で最適なのは50~70cm、Romiがユーザーの話を聞く準備ができているときは顔の下の青いLEDが点灯したり、うんうんと頷いたり、考え中の表情になったりします。このタイミングを理解すると会話がよりうまく繋がるかもしれません。


ちょっと便利な機能

Romiは便利な機能として説明会では一部が紹介されました。ほかにも装備されている機能があり、かつ、今後もアップデートによって追加されていく予定です。

【役立つ機能】
・天気予報
・ニュース
・タイマー
・ラジオ体操
・今日は何の日
【面白い機能】
・しりとり
・計算問題
・面白い話
・モノマネ
・羊を数える

■ミクシィの自律型会話ロボット「Romi」との会話「天気」

直近の追加機能の予定

歌も歌えます。2021年3月から「Romiが毎月1曲ずつ新しい歌を覚えて歌う歌機能」を実装しています。


■ミクシィの自律型会話ロボット「Romi」との会話「モノマネ/面白い話/歌」etc


英語で雑談

意外とオススメなのが英語の雑談機能。自分の思ったことを英語で気軽に話しかけて、Romiの返事を聞くだけでも英語脳や英語耳のブラッシュアップになりそう。


Romiは「英語で話そう」と話しかけると英語モードになり、英語でRomiと会話できます。ただ、最初は日本語モードへの戻し方が解らなかったのですが、顔を優しくダブルタップすると英語モードが解除されて日本語モードに戻ります。


季節のイベント機能

ハロウィーンやクリスマスなど、季節のイベント機能も面白いですよ!!




SNSキャンペーンについて

一般販売を記念して、Romiとの日常を投稿すると、Romiに歌ってもらう曲(毎月、一曲ずつ追加されるRomiの歌)を決められる権利やAmazonギフト券が当たるキャンペーンを4月21日(水)から実施されます。

【参加方法】
・RomiのTwitterまたはInstagramアカウント(@romi_robot)をフォロー
・ハッシュタグ「#Romiとの日々」をつけて、Romiとの癒やされる会話の動画・テキストや、可愛いしぐさの動画・写真を投稿

ちなみに4月に追加されたRomiの歌は、Romi初のオリジナルソングとなるラップ「I am Romi〜ロミィ星からやってきた〜」でした。


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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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