【AI×AR】iPhone、iPadのカメラで複数のバーコードを同時スキャン 東計電算がScandit AG社のバーコードスキャン技術を提供

株式会社東計電算はScandit AG社のモバイルコンピュータビジョンによる「MatrixScan」(複数一括認識)技術を、製造・物流・流通・運輸・消費財/小売業界向けに提供しているクラウド型の物流システム、倉庫/在庫管理システム、パレット(物流容器)管理システム、資産管理システム、検品/誤出荷防止システム等の物流統合支援ソリューションに組み込み、現場業務のデジタルトランスフォーメーション推進を支援するサービスとして4月26日から販売開始することを発表した。

Scandit AG社はスイス初のAI・ARを活用したバーコードスキャン技術の急成長スタートアップ企業。AI技術(人工知能)で複数バーコード・QRコードを瞬時に複数認識を実現し、AR技術(拡張現実)で業務情報やシステムデータの可視化を実現する。東計電算はScandit AG社と業務提携及び販売パートナーシップ契約を締結した。


販売開始するソリューション概要

今回販売するソリューションはスマートデバイス活用のマルチスキャン機能の提供とユーザーの運用に合わせた柔軟なカスタマイズ設計・開発導入を強みとしているPACSPLUSに、AI(人工知能)を活用したScandit社の瞬時に高精度なバーコード複数認識が可能な自動認識技術を組み込むことで、入出荷や仕分け検品業務、棚卸業務等の業務自動化を目指し、開発をしているソリューション。AR(拡張現実)の活用により、熟練者でない作業者でも視覚的にARによる業務ナビゲーションで業務判断ができるようになり、誤梱包や誤出荷を防止。作業品質向上が実現できる。



東計電算は独立系システムインテグレータとして創業50年で培ってきた業種・業務別に現場精通したノウハウ/ナレッジを強みとし、最先端のAI・ARの自動認識技術を応用することで製造・物流現場業務をデジタル技術で効率化・最適化へと導き、現場業務から企業経営のデジタルトランスフォーメーションを牽引し、経営・資本構造改革にトータル的に貢献していくことを実現していく。

AI×ARバーコードスキャン技術の特徴

Scandit社のバーコードスキャン技術には以下の5つ特徴がある。

1.AI(人工知能)技術を搭載したバーコード・QRコード複数一括高速スキャン
バーコード1つ1つをスキャンする必要がなく、スマートデバイスのカメラで捉えた複数のバーコードを一括で認識できるため、検品作業などに掛かる作業時間を大幅に削減可能。
これらスキャン技術は日々AIにより瞬時に認識できる精度を進化させ、高品質なスキャン精度を保っている。

2.拡張現実技術(AR)表示
認識したバーコードに対して拡張現実技術(AR)を活用した情報の表示が可能であり、ARを通じて、在庫情報や出荷予定情報(ex,誤出荷品の検知)をARで表示させたり、ピッキング指示情報もARを通じて正しくナビゲーションさせることができるため、業務知見があまりない作業者でも熟練者と同様の作業遂行が可能。

3.破損しているバーコードの読取りや明るさがわずかな劣悪環境での読取り
激しく破損しているバーコードや、曲面率が高いバーコード、また、暗所での読取りにも対応。

4.モバイルコンピューティングに対応
iPhone、iPadのカメラで瞬時に高精度なスキャンが可能。

5.あらゆるバーコード種類への読取り対応
JANコード、NW7、Code39、Code238、GS-1、QR、ITF、データマトリクス等々の複数種類のバーコード読取りに対応。



【向いている業種】
製造業全般(部品・組立)、物流・倉庫業、流通業、小売/消費財、医薬品・ヘルスケア、生鮮・食品業、切削・加工業、アパレル業、フィールドサービス、保守メンテナンス、空港業(搭乗券)

【向いている業務】
在庫・資産管理、パレット管理(パレット、カゴ車、通い箱等の物流容器管理)、デジタルピッキング業務、誤出荷防止(出荷管理)、配送状況確認、受入、出荷検品、仕分け検品


ソリューション開発の背景

昨今の新型コロナウイルス感染症問題により、EC通販、宅配業界、家具・リフォーム業界等の建築資材メーカーをはじめとし、少量多品種で商品を扱う企業の物量が大幅に増加している。またその一方で、従来から課題認識されている2025年問題で象徴される高齢化社会の到来およびIT人材の枯渇減少により、現状の現場業務の仕組みでは企業の経営存続が危機にさらされる可能性がコロナウィルス感染症発症以前よりも増して、これまで以上に高くなってきている。

それら困難な企業経営問題とも言える課題を改善支援する一手として、企業での商品管理の標準コードとなっているバーコード・QRコードを用いたデジタル認識技術を現場にとってこれまで以上に身近なITツールとしてアプリ開発を行い、現状の運用業務を大きく変えずに即座に業務効率・最適化実現を可能とするソリューションニーズが高まってきていると感じたことから同商品の企画開発に踏み込んだ。


現在開発導入が進んでいる事例

1.某3PL(サードパーティ・ロジスティクス)企業での開発・導入事例

【どのような企業か?】
建築資材や工業部品の在庫・保管・運輸配送業務を行う物流会社

【どのような用途で利用しているのか?】
現行利用の現品票(商品識別ラベル)に印字されているQRコードを活用し、一括高速スキャン技術を活用した商品の入庫受入検品や、AR拡張現実による出荷前の仕分け検品において誤出荷防止に活用する。熟練工でなくともAR拡張現実による業務ナビゲーションを通じて業務遂行できること、また作業品質を保ち、業務平準化を目指し導入を進めている。

2.某大手通販企業様での開発・導入事例

【どのような企業か?】
一般消費財等をメイン商材として扱い、自社で物流機能も持ち合わせているEC通販会社

【どのような用途で利用しているのか?】
商品情報記載の荷札、棚札印字のバーコード・QRコードを活用し、商品の入出庫・在庫管理に本スキャン技術を活用。また、特定の商品をピッキングする際にはAR(拡張現実)表示技術を活用し、対象商品へのARでのナビゲーションでデジタルピッキング業務での開発を進めている。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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