ソフトバンクがプロ野球中継でバーチャル広告の提供へ【日本初】ネット中継のスポーツ映像に広告を合成して配信

ソフトバンク株式会社は、「バーチャル広告サービス」の提供を本日5月7日から開始することを発表した。同日におこなわれる福岡ソフトバンクホークスの試合から導入する。ソフトバンクが提供する「バーチャル広告サービス」は、スポーツの試合などインターネット中継の映像にデジタル広告を挿入して動画配信サービス事業者へ配信するもの。スマートフォンなどで視聴するユーザーを対象に広告を表示する。当初の動画配信サービスは、ベースボール LIVE、DAZN、パ・リーグ TV。今後は順次拡大していく予定。なお同社によれば、バーチャル広告が日本のプロ野球中継で導入されるのは初めて。

「バーチャル広告サービス」のシステム構成イメージ
A: 会場からの映像を動画配信サービス事業者などへ伝送するためのシステム。 B: 画像認識により対象を把握して映像演出を行うシステム「Eclipse Insertion」。

5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴って、今後は動画配信コンテンツが拡大することが期待されている。また、新型コロナウイルス感染症拡大によって生活スタイルが変化し、若者だけでなく、幅広い世代に、スマートフォンなどで動画を視聴する機会が増えている。こうした状況を背景に、ソフトバンクはニューノーマル時代の新たなスポーツ観戦スタイルに合わせた「デジタルマーケティング支援」として、「バーチャル広告サービス」の提供をおこなう。同社は、2021年3月26日の開幕戦から試験運用を行ってきた。


「バーチャル広告サービス」のメリット

従来、スポーツの試合の中継などに広告を常時表示するためには、会場内に実物の看板などを設置する必要があった。「バーチャル広告サービス」は、システム側で中継映像にデジタル広告を合成して配信するため、実物の看板の制作や会場への持ち込み、設置作業などが不要となりコストの削減に繋がる。また、ソフトバンクの映像運用センターで映像処理を行うため、クライアントや映像配信者が会場で関連機材を用意する必要もない。

デジタル技術を活用することで、広告の差し替えが容易で、複雑な広告デザインも鮮明に表示できるため、広告主は、季節やキャンペーンに合わせて視認性の高い広告をタイムリーに配信するなど、スピーディーかつ自由度の高い運用が可能となる。
更に、試合などのイベント主催者にとっては、これまで実物の看板を設置することが困難だったスペースを、新たな広告スペースとして活用することが可能になる可能性があり、それによって収益機会の拡大につなげることが期待できる。

今後は、他球団の試合中継やダイジェスト動画、プロ野球以外の試合中継など、幅広い分野への導入を目指す、としている。
また、将来的には海外向け動画配信での展開も視野に入れる。


Vizrt社のシステム「Eclipse Insertion」と連携

今回、技術的には、画像認識によって対象を把握して映像演出を行うVizrt社のシステム「Eclipse Insertion」をソフトバンクの映像伝送サービスと組み合わせることで、新たに「バーチャル広告サービス」の提供を可能にした。

Vizrt社の技術の例。ピッチ奥の広告が、右はバーチャル広告の表示になっている(下のYouTube動画より)

■参考動画 Viz Eclipse

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ロボスタ編集部

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