ツムラ漢方薬の品質試験作業をAIロボットで効率化 秤量にロボット自動学習システム「COREVERY」を活用 エクサウィザーズ

AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組む株式会社エクサウィザーズは、同社が提供するプログラミング不要のロボット自動学習システム「COREVERY」で粉体製造業の現場向け秤量自動化AIシステムを実現し、株式会社ツムラの漢方薬における品質試験作業の効率化に向け、同システムの試験導入を開始したことを発表した。


多様な粉体に対応した秤量自動化を実現

これまで粉体製造業の現場では、専用機を開発することで特定の粉体における秤量作業を自動化することはできても、そのほかの取り扱い対象である特性の異なる数十種類の粉体の秤量自動化が難しいことが課題となっていた。多様な粉体に対応するには粉の特性を理解したうえで人が細かな手作業をする必要があり、単純作業であるがゆえに時間もかかる。そのため多様な粉体に対応した秤量自動化システムを実現できれば、作業効率化につなげることができる。

今回エクサウィザーズはプログラミング不要のロボット自動学習システム「COREVERY」を用いて、粉体製造業の現場向け秤量自動化AIシステムの開発を実現。「掬い取り制御」(粉体容器に対して、適切な粉体掬い取り位置を推定し一定量掬い取る)と「振り落とし制御」(すくい取った粉体を振り落とし目標となる秤取量を達成する)の2つの動きをロボットに学習させることで、多様な粉体における高精度かつ人と同程度の作業スピードによる粉体秤量を可能とした。

秤量自動化AIシステムは129種類にわたる多品種・多物性の漢方薬の品質試験検体処理作業の効率化が課題となっているツムラの品質試験作業において、2021年度研究開発部門の試験導入を皮切りに、2022年度中に漢方薬生産施設での導入を目指す。


エクサウィザーズが提供する「COREVERY」について

「COREVERY」は利用者にAIやプログラミング知識がなくても、利用状況に合わせて各種ロボットに動作を学習・実行させることが可能なロボット自動学習システム。単純作業の代替や熟練者の動作再現等、様々なシーンで活用することができる。

「COREVERY」の活用例
1.単純作業の代替(化学品、製薬、化粧品等)
「配合のために試験管を振り続ける」等の単純作業の代替に。

2.ドローンでの点検(検査、メンテナンス)
ドローンを用い、棟梁、工場、プラントのサビやセメントのかけ等の検知に。

3.食品の把持、調理、盛り付け(食品)
肉・魚等、形が一定ではない食品の把持、調理、盛り付け等が可能。

4.熟練者の動作再現(製造)
研磨・研削等、熟練の作業者の動作をロボットで実現。

5.危険な環境での仕事の代替(産業廃棄場)
大量の産業廃棄物のクレーン処理等、危険な環境の作業も自動化。

6.農作物の栽培・収穫(食品)
作物の育成状況を加味して、人と同様に適切な栽培を実現。

株式会社エクサウィザーズは「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」というミッションのもと、企業の各部門や全社課題の解決にAIを利活用して取り組みながら、個社の課題から見つけた業界課題や社会全体の課題を解決するために、介護・医療・HR・ロボット・金融・カメラなどさまざまな領域でAIプロダクトの開発と実用化に取り組んでいる。メンバーにはAIエンジニアをはじめ、ソフトウェアやハードウェアのエンジニア、戦略コンサルタント、UI/UXデザイナー、介護などのドメイン専門家、研究者、政策の専門家など分野横断的な人材が在籍。超高齢社会を迎えている日本において、各領域の現場ニーズと課題を徹底的に理解しながら事業を展開する。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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