台湾発の着信番号識別・迷惑電話対策アプリ「Whoscall」(フーズコール:福岡市)は、新型コロナワクチン接種に関連する詐欺の手口を公開した。海外事例や詐欺の手口を知っておくことは、騙されることを防ぐ有効な手段のひとつ。
2021年4月から日本でも新型コロナワクチン接種が一部市町村の高齢者を対象に開始され、保健所や自治体の職員を装い、「高齢者を対象にPCR検査とワクチン接種ができる。予約金が必要だ」などとして、金銭を要求する電話が確認されている、と警視庁や消費者庁が注意を喚起。今後も増加が予想される新型コロナウイルス感染症に便乗した詐欺への注意喚起として、グローバルのワクチン詐欺事例や詐欺を避けるための方法を紹介した。
同社は、2020年の詐欺電話および詐欺SMS(詐欺メッセージ)2.8億件を含む、延べ65億件以上の未登録番号からの電話着信とSMSを識別した。
以下、同社のプレスリリースより。
世界中で頻発しているワクチン詐欺手口の概要
電話
詐欺師は政府や病院を装い、「ワクチンを予約するには頭金が必要」と電話してくる。しかし、ほとんどの国の政府は無料でワクチンを提供している。
SMS
詐欺師はフィッシングリンク付きのSMSを送り、個人情報の登録を要求する。ほとんどのSMSフィッシングは、リンクをクリックすると、スマートフォンがウイルスに感染したり、偽のウェブサイトに転送されたりする。
メール
政府や病院を装った詐欺師が、個人情報の登録を促すフィッシングリンク付きのメールを送ってくる。SMSを利用したフィッシングでは、リンクをクリックすると、スマートフォンがウイルスに感染したり、偽のウェブサイトに転送されたりする。
SNS(LINEなど)
ワクチンを登録するための偽装サイトを作成して送信してくる。そのサイトにアクセスすると、個人情報を盗まれたり、予約代金を要求されたりすることがある。
海外事例:ワクチン接種関連の始まっている国で詐欺が発生
アメリカ、オーストラリア、イギリスでは以下のようなワクチン詐欺が報告されている。
アメリカのコロナワクチン詐欺の手口事例
・順番が回ってきたワクチン代金の支払いを求められる
・ワクチンの早期接種を勧誘され代金の支払いを求められる
・順番待ちのリストに名前を載せるために代金の支払いを求められる
・不信なサイトで予約をするように言われる
・ワクチンを発送するために代金の支払いを求められる
・ワクチンを接種する前に追加の検査を受けるように言われる
出典:the FBI, the Federal Trade Commission (FTC), the US Department of Health and Human Services (HHS) , the Better Business Bureau
オーストラリアのコロナワクチン詐欺の手口事例
・偽のワクチンの予約販売
・偽のワクチンを個別訪問して支払いを求めるもの
・偽のワクチン調査への参加を求めるもの
出典:Australian Competition & Consumer Commission
イギリスのコロナワクチン詐欺の手口事例
イギリスではワクチン接種を勧める詐欺電話やテキストメッセージが発生しています。
また、ワクチンの支払いを要求したり、銀行口座の情報を聞いてきたりするケースもあります。
出典:Age UK Wandsworth
各国のコロナワクチン詐欺への対処法
各国ではワクチンに関する怪しい情報が送られてきた場合は、地元の保健所などに確認し、知らない人からの勧誘では、銀行口座情報や社会保障番号などの個人情報を教えないよう呼び掛けている。また、ワクチンについて電話してきた人に個人情報を教えない、予期しないメールやSMSのリンクをクリックしないなども詐欺の対処法として紹介している。
Whoscallをダウンロードしていれば世界中16億件のデータベースから電話番号を識別するので知らない番号から電話やSMSがきたときに、より慎重に出るかどうかを判断することができ、詐欺に遭うことを避ける可能性が高まる、としている。
ワクチン接種が始まったばかりの日本でも詐欺が発生
Whoscallによると高齢者への接種が一部市町村では始まった日本では4月に約44,000万件の詐欺電話・SMSをブロックしたとする。
また、ワクチン配布2日目の4月13日、Whoscallはいくつかのコロナ関連詐欺電話を確認したが、Whoscallのオートブロック機能により、一部のコロナ関連詐欺電話をブロックすることに成功。コロナ関連のSMS詐欺においてもWhoscallのフィルターにより、コロナ関連詐欺のフィッシングSMSをブロックすることに成功しているという。
日本では、4月以降コロナ関連詐欺だけではなく「架空請求」や「点検詐欺」の詐欺電話も引き続き発生していることがわかっている。これらの電話番号はWhoscallに「詐欺」として登録されているため、詐欺に遭うことを避けることができると同社は語る。
スマートフォンアプリ「Whoscall」
スマートフォンアプリ「Whoscall」は、現在、全世界で8,000万ダウンロードを超えている。2015年から5年連続で「APP Store」のベストアプリに選ばれ、台湾では2人に1人がダウンロードしているという。CEOのジェフ・クオ氏は、台湾の総統・蔡英文(ツァイ・インウェン)氏から2020年9月に台湾総統イノベーション賞を受賞。2020年は2.8億件の迷惑電話と迷惑SMSを阻止したとする。また、台湾ではCIB(犯罪捜査局)、韓国ではFSS(韓国金融監督院)と協力して詐欺被害対策に取り組む。日本では、福岡市のAIやIoT等の先端技術を活用した社会課題の解決等に繋がる実証実験プロジェクトに採用されている。
Whoscall 株式会社