東京大学とソフトバンクのAI研究機関「Beyond AI 研究推進機構」世界最速レベルのAI性能のNVIDIA「DGX A100」システムを導入

日本最高峰のAI研究者たちが今、ソフトバンクのプライベートクラウドを通じてNVIDIAの最新のAIプラットフォームを活用し、社会実装を見据えた最先端のAI研究を推し進めようとしている。ソフトバンク株式会社は2021年4月、東京大学およびソフトバンク、ソフトバンクグループ株式会社、ヤフー株式会社が設立したAI研究機関「Beyond AI 研究推進機構」のコンピューティングプラットフォームとして、世界初の5PFLOPSのAI性能を持つ「NVIDIA DGX A100」システムを導入した。

「Beyond AI 研究推進機構」では最先端のAI研究を行う中長期研究(基礎研究)と、研究成果をもとに事業化を目指すハイサイクル研究(応用研究)の2つの領域で研究を行い、事業によって得たリターン(事業化益)をさらなる高度な研究や次世代AI人材の教育に還元するという好循環を生み出す、持続可能なエコシステムを構築する。ソフトバンク、ソフトバンクグループ株式会社およびヤフー株式会社は10年間で最大200億円を拠出し、日本が世界をリードするための研究・事業活動を大胆に推進することで、AIを超える学術分野の開拓を目指している。


「Beyond AI 研究推進機構」を支える「NVIDIA DGX A100」

昨年発足した「Beyond AI 研究推進機構」では、東大の様々な学術領域のトップクラスの研究リーダー11人が参加してAI自体の進化や他分野との融合などの最先端AIを追究する中長期研究と、AI技術の社会実装を推進するハイサイクル研究の二つの方向性で研究を推進している。研究成果をもとに10年間で3件の新学術分野の創出、10件の事業化を目指し、研究活動を行っている。

これらの研究活動を支えるのがNVIDIAのコンピューティング プラットフォーム。ソフトバンクはNVIDIA Partner Networkプログラムに、NVIDIA DGXシステムのクラウドサービスプロバイダーのパートナーとして参画することで、DGX A100をクラウドサービスとして提供することが可能になった。ソフトバンクはデータセンターにDGX A100を導入し、4月よりプライベートクラウド経由で「Beyond AI 研究推進機構」への提供を開始。DGX A100はNVIDIA Mellanox HDR 200Gbps InfiniBandインターコネクトで接続されており、複数台のDGX A100を使って演算性能を拡張することで、対話型AIや大規模な画像分類など、難度の高い課題に対処することができる。

ソフトバンクはクラウドサービスのユーザビリティに関するNVIDIAの知見を取り入れながら、DGX A100のGPUのリソースが適切な配分およびスケジュールで必要とする研究者に届くよう管理し、クラウド経由で「Beyond AI 研究推進機構」に提供する。このプラットフォームはBeyond AI 研究推進機構において「Beyond AI SANDBOX」という名称で運用される。「Beyond AI 研究推進機構」の東大研究者や参加するソフトバンクの技術者たちは、自身でシステムの構築や運用、利用スケジュールの管理などの手間をかけずに、GPUを活用した研究に没頭することができ、研究開発サイクルを最小化しながら研究成果を最大化することが期待される。

ソフトバンクは、「Beyond AI 研究推進機構」の取り組みとしてNVIDIAのプラットフォームを導入し研究者に提供することで、東大との産学連携をより一層推進するとともに、プライベートクラウド型AIサービスの運用の知見を蓄積することができる。NVIDAは今後ソフトバンクが他の研究機関や企業のAIリソースのニーズにあわせて同様のサービスを導入し、セキュアで可用性が高く、高品質なネットワーク経由で最新のAIリソースを提供することで、通信事業におけるAIサービスプラットフォームの新しいモデルを構築することを期待している。


「NVIDIA DGX A100」導入についてのコメント

ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット AI戦略室 室長 松田 慎一氏は以下のように述べている。

「Beyond AI 研究推進機構では、次世代のAIを生み出す中長期研究と最先端のAIを生かした新たな事業を生み出すハイサイクル研究に取り組んでいます。DGX A100はこのどちらの研究においてもその原動力となり、AI技術の社会実装を加速させるでしょう。効率的にAIのリソースを提供し、研究者らが自由闊達にAI構築に取り組む環境を作ると共に、実績と事例を蓄積することでノウハウを獲得し、AI分野における新たな取り組みに生かしていきます。」

Beyond AI 研究推進機構 機構長 萩谷 昌己氏(東京大学情報理工学系研究科教授)は以下のように述べている。

「Beyond AIで進められている中長期研究は、AI自体の進化から物理・脳科学との融合まで多岐の分野にわたり、さらに今年度よりハイサイクル研究を開始しており、膨大なAIワークロードに対応できる強力な計算基盤が必要になります。NVIDIA DGX A100はこのニーズに応える十分な演算性能を備えており、研究者たちはAIモデルの設計から学習、検証のサイクルを加速させ、最先端研究とAIとの融合によって新たな学問分野を切り拓くことができるでしょう。」

エヌビディア 日本代表兼米国本社副社長 大崎真孝氏は以下のように述べている。

「クラウドを通じたNVIDIA DGXシステムの提供により、ソフトバンク様が今後、AI時代の旗手としてAIビジネスを牽引することを期待しています。Beyond AIの研究者たちは、ソフトウェアを含めたNVIDIAのプラットフォームを活用することにより、迅速に研究成果を事業化につなげ、産学連携のモデルとなる最先端のAI研究機関を築くことを確信しています。」



「NVIDIA AI DAYS」で最新の取り組みを紹介

NVIDIAは6月16日~17日、日本法人主催のオンラインイベント「NVIDIA AI DAYS」を開催し、AIでビジネスを変革させている日本の最先端の企業や機関のセッション コンテンツを多数お届けする予定。ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット AI戦略室 室長の松田 慎一氏、および東京大学情報理工学系研究科の萩谷 昌己教授を招いたセッションでは、「Beyond AI 研究推進機構の取り組み」と題し、今回の発表内容に触れる他、Beyond AI 研究推進機構の最新の取り組み等を紹介する。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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