株式会社GRIPSは株式会社アイカムス・ラボ、Luominen Labらと共同で、PCR検査をはじめとした様々な研究・臨床現場で行われる分注作業を自動化する自動分注装置のコアモジュールとして、安価な卓上型ロボットアーム・Dobot Magicianを用いた実証機を開発したことを発表した。
「Dobot Magician」と「pipetty Pro」を組み合わせた実証機
分注作業は膨大な作業量と正確性が求められることから作業者の大きな負担となり、課題となっている。そこでGRIPSは分注作業を正確に繰り返す精度を持つ自動分注装置を開発することを通じ、繰り返し作業の負担を低減し、国内外の研究・臨床現場における生産性を改善に寄与することを目指している。
今回開発した自動分注装置のコアモジュールとなる実証機は、STEM教育向けロボットアームとして開発されたDobot Magicianを用いている。そのため、ロボットアーム自体は小学生から取り扱える高い操作性と省スペースを実現。Dobot Magicianは繰返し精度±0.2mmの性能を有することから、産業用ロボットとしても国内外の製造現場にも導入が進んでいる。
軸数:3+1
最大可搬重量:500g
最大リーチ:320mm
繰り返し精度:0.2mm
分注を担うピペットには共同開発のアイカムス・ラボの電動ピペット“pipetty Pro”をDobot Magician用に調整したものを採用している。pipetty Proは高精度な連続分注を実現する世界最小・最軽量のペン型電動ピペットとして国内の研究・臨床機関において採用されており、分注作業の制御、データのロギングを行うソフトウエアにより、作業・実験結果の正確性、信頼性が求められる製薬の研究開発領域、受託検査領域において活躍している。さらに、BlueTooth通信機能による遠隔制御により作業中のコンタミネーションを抑制することが可能。
吐出範囲:1-250μL
精度保証範囲:25-250μL
再現性(C.V.) 連続分注時 20μL≦0.4%:(25μL≦3.0%)
自動ロギング機能の搭載により、実験日時や作業者名、分注量、温度、湿度などの情報を自動でデータ化。作業者が分注作業を行うだけで、無線通信でデータベース上にログが記録されるため、実験プロトコルに沿って正しく作業が行われたかどうかの確認も容易。
これら2つの製品を組み合わせることにより、高精度な分注作業を安価に実現する自動化装置が実現できると考え、Luominen Lab 角田氏のもつ医療現場における新技術適用の知見から助言を得て今回のコンセプト実証機の開発に至った。今後はより汎用性を高め、ユーザーインターフェース(UI)の改善による処理速度向上、および実験データのトレーサビリティ向上に取り組み、製品化を進めていくとしている。なお、同製品の販売開始は2021年12月頃を予定。
GRIPS、アイカムス・ラボ、Luominen Labについて
<株式会社GRIPS>
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。