株式会社アールティは人型サービスロボットの研究開発促進のため、研究者が触って体感しながら開発できる、本質安全を重視したティーンサイズのヒューマノイドロボット「Bonobo」(ボノボ)を開発したことを発表した。同製品は受注生産(納期6か月)で、価格は1,320万円(税込)。
身長120cmの二足歩行ロボット「Bonobo」
Bonobo(ボノボ)はサービスロボットや歩行ロボット、コミュニケーションロボットの研究に使えるヒューマノイドロボット。身長120cmのコンパクトサイズで、腕の長さは小柄な成人をモデルにしている。ボディを3Dプリンタ製のプラスチック外装にすることで、全体で約15kgと軽量にしており、研究者が一人でも持って移動させることができる。全関節80W以下のモータを使用してアーム等の動く力が強くなりすぎないように配慮するほか、挟み込みを防止する設計構造にすることで使用時の本質安全にも優れている。
Bonoboは持ち運びや稼働中の運用を楽にしたい人、アームやボディを触って体感しながら、触れるサービスロボットや協働ロボットの研究開発を進めたい人に適したヒューマノイドロボット。頭部にはデプスカメラを標準搭載し、対象物の認識や障害物回避の腕の軌道生成などが研究できる。
アールティの取り組み
アールティには創業時から「サービスロボットとは触れる、触れあえるものであってほしい」という思いがあり、その思いに基づいて、着ぐるみを着て人と握手やハグができるようなエンターテインメントロボット「RIC90」(リックキュウジュウ)や、人の隣でも安全に働ける人型協働ロボット「Foodly」(フードリー)などの開発、販売を続けてきた。
協働ロボット、サービスロボットの研究開発用教材としては、軽量かつコンパクトでスタイリッシュをコンセプトとしたアームロボット「CRANE-X7」(クラインエックスセブン)や、上半身型ロボット「Sciurus17」(シューラスセブンティーン )を展開し、大学や企業の研究機関などに活用されていたが、人型(二足歩行)ロボットでも同様のコンセプトの製品が欲しいとの要望を受けたことから、ティーンサイズのヒューマノイドロボット「Bonobo」としての製品化に至った。
製品名については、ヒト科チンパンジー属の霊長類ボノボ(Pan paniscus)が遺伝学上もっとも人に近く平和的な動物と言われていることから、人に近い形状で安全を重視したロボットとして同じ名前を採用し「Bonobo」としている。
「Bonobo」の仕様
自由度 | 29(ハンド別) |
---|---|
軸数 | 頭:2軸 腰:1軸 腕:7軸 ×2(左右) ハンド:1軸 ×2(左右) 足:6軸 ×2(左右) |
アクチュエータ | PH42-020-S300-R ×12 XH540-V270-R ×5 XH540-V150-R ×4 XH430-V350-R ×10 |
モータ通信 | Raspberry Pi 4 Model B UART-RS485 ×5 (右腕、左腕、右足、左足、頭+胴体) |
コンピュータ | 画像処理:Jetson Xavier NX ×1 モータ制御:Raspberry Pi 4 Model B 4GB ×1 |
無線LANルータ | PA-WX3000HP |
センサ | F/T:Pressure sensor ×2 IMU:9-axis IMU ×1 Camera:Intel Realsense D415 ×1 【以下オプションで追加可能】 |
バッテリ | 22V 10000mAh以上 x 1(連続稼働30分以上の容量を目安) |
サイズ | 457mm x 200mm x 1200mm(幅、奥行、高さ) |
重量 | 約15kg(バッテリーを含む) |
型番 | RT-Bonobo |
製品ページ | https://rt-net.jp/products/bonobo/ |
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。