測量・測位ソリューションの開発・製造・販売を行う株式会社ニコン・トリンブルは、現場完結型3Dレーザスキャナ「Trimble X7」(建築・設備向け)と基幹ソフト「FieldLink Scan」を活用して社寺建築・文化財のデジタルツイン化を推進する株式会社吉匠建築工藝の導入事例映像を公開した。
同社は設計業務にTrimbleの3DソフトウエアSketchUpを活用していたことから、SketchUpとの連携が取れ、簡単操作でスピーディに高精度の点群が取得できる3DスキャナとしてTrimble X7を購入、スキャナ導入前と比べて20倍の効率化を実現した。
設計施工調査を請け負う「吉匠建築工藝」
株式会社吉匠建築工藝は社寺建築・文化財修理・祭り屋台建造修理修復・古民家再生・伝統的講法住宅の設計施工調査を請け負っている会社で、現代的な要求や課題に対応し、日本建築が持つ洗練し受け継がれてきた古来の技術と美が加味された純粋な日本建築の継承を目的としている。
ニコン・トリンブルは代表取締役社長の吉川宗太朗氏に導入の経緯と活用効果を伺った。
Trimble X7と出会い、20倍以上の効率化に衝撃が走った
「日本人が築き上げてきた洗練された曲線美からなる社寺建築というのは非常に複雑な形状をしています。従って現況調査で測量する期間がとても長く、現場によりますが軽く1か月はかかっていました。そこを簡略化するために3Dスキャナの導入を検討していました。」
「私は以前からデジタルツインを意識しており、現況データをそのまま設計図に反映したいと考えていました。当社の設計業務は主にSketchUpという3D デザインソフトで行っていることから、SketchUpとの連携が取れる3Dスキャナを探していたら、このTrimble X7との出会いがありました。実際、現況調査にTrimble X7を使用したら、今まで1か月かかっていた作業が6時間から7時間で終わってしまいました。衝撃が走りましたね。20倍以上の効率化が図れています。これは革命ですね。」
建築設備向けの3DレーザスキャナTrimble X7は三脚に据えてスタートボタンを押すだけでFieldLink Scanが点群計測を開始する。複数の計測ポイントで取得したデータはタブレット上で自動合成されるのため、測量機に纏わる面倒な準備や設定が不要であることも効率化を後押ししている。
点群後処理ソフトで詳細確認を行い、ノイズキャンセリング後にSketchUpで作図に取りかかる。SketchUpによる図面が完成。現況調査から短時間で出来上がり、可視性も高いので、施主と積極的なコミュニケーションをおこなえるようになった。
「デジタル技術と社寺建築の職人は結び付かないと思いますが、実際に使ってみると操作自体がとても簡単ですので、若手に教えたら直ぐ取り掛かれる。もっと早くに使っておけばよかった、そういう答えが返ってきます。みんな感激していますね。一言ですごい。私が感じる最大のメリットはスピードです。この3Dスキャナを導入して時間が手に入りました。手に入った時間は他の作業に回せますし、社員にいろいろな形で還元できます。」
「Trimble X7という最先端の3Dレーザスキャナを導入したことにより、全てのスピードが上がっていきます。こういう先進技術を使いこなしている会社と付き合えている、というお客様の安心感にもつながってきていますね。工期が短縮されるというのは、お客さまも嬉しいと思います。」(株式会社吉匠建築工藝 代表取締役社長 吉川宗太朗氏談)
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。