京都発のAIソリューションカンパニー・株式会社HACARUSはデータ収集用デバイス開発からAIとの連携まで、 ワンストップ支援により半年間で実現する『デバイス試作サービス for Edge AI』を提供開始することを発表した。
『デバイス試作サービス for Edge AI』はこれまでAIを導入するために汎用ハードウェアの使用を検討したが、費用や特殊なデータ取得環境などの制約により実装が難しかった企業に対して、スムーズなAI導入を支援するサービス。データ取得から既存システムとの連携まで、一貫した支援に実績のあるハカルスが、これまで培ってきたAI開発のノウハウを活用し、スピード感を持って開発することで、通常1年以上かかるプロセスを半年に圧縮する。
同サービスは画像データや温度・湿度などに収集しやすいデータだけでなく、「打音などの様々な音」、「臭気」、「振動」、「ガス」、「重量」などの収集や可視化が難しいデータ取得にも対応する。プロジェクト開始から半年後にはエッジAI用ハードウェアのプロトタイプ3台と、収集されたデータ可視化の仕組み(ダッシュボード等)、さらに連携されたAIシステムまでを提供。エッジAIに強いHACARUSならではのワンストップ支援により、効率的なAI導入を実現する。
ハカルスのAI技術「スパースモデリング」
スパースとは「まばらな」という意味で、「物事の本質的な特徴を決定づけるのは一部の要素だけである」という性質(スパース性)を利用した技術が「スパースモデリング」。スパースモデリングを活用することで「データが不足している状態でも分析ができる」「分析の時間やコストを圧縮できる」などのメリットがある。
ハカルスのスパースモデリングを活用したAI技術は以下のような特徴がある。
・不良品データ(不正解のデータ)がなくても、少量の教師データ(正解のデータ)でAIが構築できる。
・ディープラーニングに見られる、分析のプロセスがブラックボックス化する課題を克服し、AIの回答に高い説明性・解釈性がある。
・大量のデータを収集する時間が不要のため、開発時間が短縮され、付帯するコストが削減できる。
・AIを稼働させるための消費電力が、ディープラーニングに比較して1/100以下のエコなAI。
・工業製品やIoT機器・エッジ端末への組み込みが可能。
・画像データ・テキストデータの解析に対応。
デバイス開発事例「肉球から心電図データを取得するツール」
DSファーマアニマルヘルス社と動物の心電図データを測定・分析するツールを共同開発中。動物の肉球(足の裏)から心電図データを取得する機能を備えた装置とHACARUSのAIを組み合わせ、安全で簡便かつ正確な心電図データ取得とAIによる解析・判定が可能。解析データはDSファーマアニマルヘルス社が提供する獣医向けのクラウドプラットフォーム(あにさぽ)に送信され、診察に役立てられる(同装置は動物用医療機器として開発中)。
サービス利用開始までの流れ
1.お問い合わせ(無料)
ハカルスのスタッフが課題やAI導入経験などをヒアリング。サービス説明の後、申し込みを検討する場合、NDA締結の上、エッジAIカウンセリングに進む。
2.エッジAIカウンセリング(無料)
HACARSUのエッジAI専門家がエッジAI導入環境やデータ取得方法など、具体的な課題の内容を伺う。
3.サービス利用方法詳細の提案(無料)
エッジAIカウンセリングを踏まえ、ハカルスよりサービス提供内容を提案。ニーズに合わせて、データ取得用センサーの選定の支援まで行う。
4.申込み
エッジAIカウンセリングを経て、サービス内容に納得してから申込みできる。このステップより先は、有料となる。
5.「AI + IoT プロトタイピングサービス」開始
1.クラウドAIタイプ
データ収集・可視化・AI運用のすべてをクラウドで実施する。(開発コストを抑えたいユーザー向け)
2.エッジAIタイプ
データ収集・可視化・AI運用のすべてをエッジデバイスやローカルネットワーク内で完結でき、オンプレミス型の運用が可能。(データセキュリティ重視のユーザー向け)
3.ハイブリッドタイプ
データ収集をエッジデバイスで行い、AIがクラウド上で稼働するハイブリッドな運用方法。(環境や運用方法に合わせて、フレキシブルな開発を希望のユーザー向け)
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。