株式会社NTTドコモは、オープンな無線アクセスネットワーク「オープンRAN」の海外展開を目的とした「5GオープンRANエコシステム」に関するホワイトペーパー(英語)を2021年6月28日(月)に公開した。RANはRadio Access Networkの略。
同社は、5G時代に通信キャリアや企業が持つ多様なニーズに応えられる柔軟なネットワークの構築を可能にするため、としている。
ドコモは、オープンRANの普及につながる、柔軟で拡張性が高い仮想化基地局「vRAN」を 2022年度に商用化することをめざしている。このエコシステムのパートナー12社とともに、vRANの性能評価などの検証やオープンRANの海外通信キャリアへの提供に向けた取り組みを推進する。
ホワイトペーパーでは、本エコシステムの狙いについて説明するとともに、世界で初めて5GのオープンRANを実現したドコモの視点で、オープンRANの導入によって期待されるさまざまなベネフィットを紹介ている。
さらに、オープンRAN、特にvRANを導入するために考慮すべき課題に対し、どのようなアプローチで課題解決に取り組むのかが解説されている。例えば、通信キャリアはオープンRANを導入することで、異なるベンダーのさまざまな基地局装置やソフトウェアを柔軟に組み合わせられるようになるが、導入にあたっては装置やソフトウェアを実際に組み合わせて性能を検証する必要があり、検証には時間やコストが発生、高度なノウハウが求められる。
このエコシステムでは vRANの商用化レベルの検証を実施できるラボを設立し、オープン RAN の導入を検討する海外通信キャリアが遠隔で自由に利用できる場を提供することで、検証コストの大幅な削減を図る。また、vRANを汎用的なサーバで実現することで専用のハードウェアを用意する必要がなくなるため、よりオープンRANが導入しやすくなる。通信キャリアにとっては従来の基地局装置以上の通信性能を維持できなければ、オープンRAN を積極的に導入することは難しい。そこでこのホワイトペーパーでは目標とする具体的なオープンRANの性能指標についても公開している。このエコシステムで構築するオープン RANでは、現在のvRANに比べて伝送速度・セル数を3倍以上に拡張し、さらに消費電力の2 分の1以下への削減をめざす、としている。
5GオープンRANエコシステム ホワイトペーパー(PDF形式:英語)
https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/whitepaper_5g_open_ran/
※冒頭の画像はイメージ
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