港湾局と神戸市立工業高等専門学校(以下、神戸高専)は「港湾施設の点検・維持管理のためのIoT・ロボットの活用」「市民の憩いの場における様々な活動」「神戸高専の学生の技術力・知識の向上」のため、共同でロボットに関する調査研究・開発を行ってきた。
今回、行政課題である異常高温対策の一翼を担う散水ユニット(ミストカーテン)を接続した自律移動ロボットが完成し、2021年7月22日(木・祝)23日(金・祝)にメリケンパークで開催するイベントにてお披露目をすることを発表した。
自律移動ロボット「コウベポートーン」に散水ユニットを接続
自律移動ロボット「Kobeport(oo)n」(コウベポートーン)は周囲の地形や障害物を検知して、指定された経路を自動で移動する。移動中に人や障害物が接近した場合は自動的に停止、安全が確保されれば再度移動。牽引するユニットを交換することで様々な仕様・要求に対応可能(平地では100㎏以上の牽引が可能)。
自律移動ロボット「コウベポートーン」はコロナ禍の中、学生主体で製作した散水ユニット「ミストカーテン」を接続し、ミストを散布することで体感温度を下げて異常高温対策の一翼を担う。
屋外公共空間で異常高温対策を強化
近年「これまで経験したことのないような」異常高温が発生し続けている。また、新型コロナウィルス感染予防対策としてのマスク着用時に熱中症が多発する恐れがあり、それによる医療体制への負荷が懸念される。このため、昨年夏にも実施した屋外公共空間での異常高温対策の取り組みをさらに強化して実施する。
【令和3年夏季対策】
フラワーロードミスト広場散水(歩道) | 微細ミストと花壇、ベンチ、ライトアップの組合せ 歩道端部にミストを設置し、日中歩道の湿潤状態を保つ。 微細ミストは霧より粒径が細かいため、人が濡れを感じにくく、冷却効果が高い。 |
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クールベンチ(実験) | 東遊園地周辺、王子動物園において 熱電素子を利用した座面冷却ベンチ【神戸高専】 熱電素子を利用して座面を冷却する座面冷却ベンチを試作し、実証試験を行う |
散水(車道)温度可視化(実験) | 旧居留地周辺、ポートアイランド(第2期)を散水 熱画像をベースとした温度可視化システム【神戸高専】 赤外線カメラにより撮影した屋外熱環境の変化を、WEB上で公開する実証実験を行う。 |
自動散水ロボット(実験) | メリケンパーク、王子動物園において 自律移動ロボットによる散水【神戸高専】 ロボット自身が周囲の地形や障害物を検知して、指定された経路を自動で移動する。移動中に人や障害物が接近した場合は自動的に停止、安全が確保されれば再度移動する。新たに散水ユニットを製作し、ロボットに接続して散水を行う。 |
フラワークールスポット | 有料公園等(布引ハーブ園など5公園)各公園の特徴にあわせミストに飾花、装飾を組合せ |
微細ミストの設置 | 三宮センター街東口バス停(北行き)に微細ミストを設置 |
簡易ミストの設置 | 名谷駅、西神中央駅、西神南駅、学園都市駅、妙法寺駅 新長田駅、大正筋商店街 |
噴水の設置 | 垂水駅、新長田駅、名谷駅 |
建築・建築設備(実験) | 室外機散水ミスト噴霧・再帰反射化の効果検証【神戸大学】
・室外機散水ミスト噴霧の効果検証 ・再帰反射化の効果実験 |
中長期の取り組み予定
今後展開する都心三宮再整備やリノベーション・神戸事業等においても、各駅の状況に応じて、緑陰、日除、水盤、雨庭、ミスト等、夏季の異常高温に適応する屋外公共空間整備を計画的に取り組む。夏季においても、市民が快適に過ごすことが出来る「涼しい街KOBE」を目指す。
地上に降った雨水を、直接放流することなく一時的に貯留し、ゆっくり地中に浸透させる構造を持った植栽空間。修景・緑化に加え,雨水流出抑制、ヒートアイランド現象の緩和などの効果が期待される。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。