Mujin、ケースピッキングロボットの次世代機「MujinRobotデパレタイザー」のリリースを開始

2021年7月14日 By ロボスタ編集部

株式会社Mujinは、物流倉庫におけるケース品積み下ろしを自動化する、知能デパレタイズロボットの次世代機「MujinRobotデパレタイザー」の販売を開始したことを2021年7月13日に発表した。

同社は、物流知能ロボットソリューションにおいて日本最多の提供数を記録している。その経験と現場知識を集約し、知能ロボットの3大構成システムを次世代機へ刷新。今回は、「新Mujinコントローラ(新バージョン実装)」「新Mujin3Dビジョン(次世代センサー＆ソフトウェア新バージョン実装)」「新Mujinハンド(新ハンド・新機能追加)」といったプロダクトライン投入により、従来機種にくらべて大幅に機能拡張・性能向上を実現した、知能デパレタイズロボットを「MujinRobotデパレタイザー」として展開する。

運搬物の重量には、法律での制限及び厚生労働省からの明確な指針があるが、近年、従業員への思いやりや労働基準法・コンプライアンスへの意識の高まりもあり、運搬物の重量制限指針を遵守するために自動化を行う企業が増えている。従業員が健康に働ける物流倉庫の実現に向けて、同社は、MujinRobotの提供を通じて、利用者とともに「人にやさしい物流倉庫」の実現を推進していくと述べている。

MujinRobotデパレタイザーの進化点

「MujinRobotデパレタイザー」は、従来製品(2020年モデル)と比較し、以下のような点を代表として、性能向上を図った。

処理速度の大幅向上

Mujinコントローラの動作ロジックの高速化、及び、Mujin3Dビジョンの認識精度向上により、知能ロボットの処理速度の高速化に成功。例えば、Mujin展示場にあるMujinRobotデパレタイザーでも能力が25%向上している。なお、同数値はMujin展示場環境での測定値であり、処理能力は対象ワークや条件、環境によって異なる。

■【動画】MujinRobotデパレタイザー：処理速度の向上 – 従来製品（2020年モデル）との比較

壊れやすいケースでも高速搬送可能な「二面ハンド」

取り扱うワークに応じて、Mujinでは様々なセンサーを内蔵したハンドを独自設計、標準品として取り揃えている。今回、重量物かつ箱の強度が弱い物や上面にミシン目が入っている不安定なケースも安全に高速に運搬するために、ケースを二面で支える「二面ハンド」が加わった。これにより、壊れやすいケースについても、平均搬送速度の高速化を実現した。

「ハンドチェンジャー」機能搭載で、ロボット1台で複数ワーク対応可能に

1台のロボットで、段ボールケースとコンテナを両方運搬したい場合など、単一ハンドでは対応が不可能な場合に使用する「ハンドチェンジャー」機能が追加。ケースをMujin3Dビジョンで認識し、装着されているハンドで取り扱いができないと判断した場合には、別のハンドへ自動で切り替えを行う。これにより、従来2台必要であったロボットが1台で対応可能となり、大幅なスペースの縮小化及び設備費の削減を実現した。

■【動画】「ハンドチェンジャー」機能：MujinRobotデパレタイザー

2メートルを超える、高積み対応

Mujin3Dビジョンの認識範囲の拡大により、これまで要望がありながらも仕様外であった、2m以上の高さに積まれた積荷の最下部も認識可能になった。トラック輸送時の積載効率を上げるためには、高く積載して運搬することが有効。同時に、人手で実施する場合、高積みの荷物の積み下ろしは高難易度・高負荷な作業となるが、技術進歩により、高積みされた荷物の積み下ろしの自動化が可能となった。