近年、製造現場では「業務効率化」と「コスト削減」を目的とした、生産設備のオートメーション化や製造過程の品質検査スピードが重要視され、データ処理能力の高い産業用カメラ導入が検討されるようになっており、特にエッジコンピューティングでの画像処理において、非常に短い時間で大量のデータを処理する要件が高まっている。
このような背景から、キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ株式会社は、NVIDIA社製Jetsonと最新のCMOSセンサを搭載し、フレキシブルにプログラミングできる、Baumer Optronic社(ドイツ/Baumer社)製、AIスマートカメラ AXシリーズを2021年7月20日より販売開始した。
同社は、30年以上にわたり、カメラ、画像処理ボード、ソフトウェアを組み合わせた画像処理ソリューションをさまざまな製造現場に提供し、利用者の抱える課題を解決してきており、今後もモノづくり企業としての生い立ちを生かし、長年の研究開発で培った先端技術を強みに、利用者ニーズに最適なソリューションをワンストップで提供していくと述べている。
(冒頭の画像:産業用AIスマートカメラ Baumer AXシリーズ)
産業用AIスマートカメラBaumer AXシリーズの概要
同シリーズは、AIを実装するためのシステム設計を簡素化できる信頼性の高いオールインワン製品だ。Linuxの採用により、プログラミング言語を自由に選択でき、インライン検査や生産モニタリング、ライフサイエンスなどのさまざまな分野で、画像処理ライブラリやアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の活用が可能。画像転送は、カメラ内部のCMOSセンサからJetsonへ直接行われるため、高速かつ安定しており、画像処理用のボードやチップなどを追加で用意する必要はない。また、オプションのチューブシステムは非常に堅牢で、IP 67保護等級対応のため、過酷な環境条件に耐えることができる。
■【動画】Baumer | Freely programmable smart cameras – AX series(英語)
Baumer AXシリーズの特長
柔軟かつ自由にプログラムができる同シリーズは、GenICam™との互換性や、M12EthernetおよびRS232インタフェース、最大120W(最大48V/2.5A)の電源出力を4系統装備などが特長だ。オプションの特許取得済みチューブシステムは、IP 67保護等級までの過酷な環境下においても、カメラとレンズを迅速かつ確実に保護する。
フレキシブルなプログラミング
AIコアとグラフィックプロセッサが実装されているNVIDIA Jetson NanoまたはXavier NXモジュールにより、AIベースのシステムを柔軟かつ自由にプログラム可能。
優れた画像処理能力で効率的な開発
・3.2または5メガピクセルの解像度を持つ最新のCMOSセンサを搭載し、高画質と高感度、低ノイズで最大77フレーム/秒で、高速プロセスでも画像の取り込みが可能。
・Linuxベースで、各種のプログラミング言語により作成されたアプリケーション要件をサポートし、さまざまな画像処理ライブラリとアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)の活用が可能。
・GenICam、M12イーサネットおよび、RS232接続との互換性により、簡単で信頼性が高く、かつ効率的な開発が可能。
・コンピューティングパワー全体を画像処理アルゴリズムで利用できるようにするため、自動露出や自動ホワイトバランスなどはFPGAベースの機能として、それぞれのアプリケーションに自動提供。
・4つの光分離電源出力と最大120W(最大48V/ 2.5A)の出力性能により、外部コントローラーなしで外部照明を直接制御でき、コストの節約も可能。
IP 67保護等級により、過酷な環境にも対応
オプションの特許取得済みチューブシステムは、IP 67保護等級までの過酷な環境下においても、カメラとレンズを迅速かつ確実に保護。また、1 µsからの短い露光時間により、非常に速い動きを正確に検出することが可能。
https://www.canon-its.co.jp/products/baumer_ax/
キヤノンITソリューションズ株式会社