池袋駅西口の繁華街の防犯に12台のAIカメラを導入 新型コロナウイルス対策にも NTT東日本

近年、AIによる映像認識技術等の向上により、幅広い分野でAIが活用されているが、防犯用途でのAIの研究・モデルの開発・深層学習等とともに、社会情勢に連動した新型コロナウイルス対策に資するAIの研究・開発も進展している。同時に、人間のみに頼る防犯・新型コロナウイルス対策等から、AIと人間による共同での対策への需要が高まっており、市場への浸透が進んできている。

こうした状況を踏まえNTT東日本は、池袋ロマンス通り商店会および池袋西一番街商店会の協力のもと、池袋駅西口繁華街において、AIとカメラを利用した防犯対策、新型コロナウイルス対策の実証を行うことを2021年8月3日に発表した。

これは同社が開発中の映像AI解析サービスにてカメラ映像をリアルタイム解析し、暴力行為・ゴミや不審物の放置等をAIが検知することで、より安全・安心でクリーンな街づくりにおける有効性について検証するものだ。また、新型コロナウイルスの影響も踏まえ、防犯対策と同時にAIによるフィジカルディスタンスの状況把握とマスク装着有無の検知等を行い、現在の社会課題解決への有効性についても検証していく。



NTT東日本が開発中の映像AI解析サービスについて

同サービスは、同社のネットワークサービスとエッジコンピューティング基盤を組み合わせたプラットフォームに、サードパーティのカメラシステムやAIアプリケーションを搭載して提供するものだ。同実証では株式会社ティ・エム・エフ・アースの低帯域LTE回線で高画質映像を転送できる映像圧縮技術および動画とAIアプリケーションの管理システム、DACORE株式会社の行動解析AIアプリケーションを活用。また、カメラの撮影・録画並びにカメラ画像の取扱いは、株式会社ティ・エム・エフ・アース及びDACORE株式会社に業務委託している。



実証実験内容

池袋ロマンス通り商店会および池袋西一番街商店会のエリア内に12台のカメラを設置。カメラ映像から得られる情報を、同社が開発中の映像AI解析サービスとリアルタイム照合することで、暴力行為・盗撮・ゴミや不審物の放置・千鳥足・転倒等の遠隔検知を行い、分析した結果が暴力行為や密集等の異常を検知した際、商店会へ即時通知。検知の精度やAIと人間との連携の状況などを確認し、犯罪等抑止状況を踏まえた社会実装に向けた検討・改善等を行う。また、豊島区や警察署などのアドバイスも得ながら、両商店会とAIと人間による共同での対策を検討していく予定だ。


なお、カメラ機材ならびに取得映像は、実証実験後に速やかに破棄し保管せず、カメラによる個人の特定は実施しない。その他同運用については、総務省及び経済産業省発表のカメラ画像利活用ガイドブックVer2.0(2018年3月)に沿って行う。

実証期間

2021年8月4日~2021年10月中旬(予定)

今後の展開

同社は、様々な防犯・新型コロナウイルスに対するAIの有効性を検証し、課題の改善方法・必要機能の拡充・AI学習を進展させ、広い地域で課題となり得る防犯・新型コロナウイルス対策における有益なソリューションを提供することで、引き続き地域の課題解決・地域活性化に貢献していくと述べている。


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ロボスタ編集部

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