SONOS「日本の音楽サブスク市場は3年で67%増」持ち運べる小型スマートスピーカー「Sonos Roam」発売 Miyuが華麗なダンス披露

Amazon Echoシリーズを愛用している人は多いと思うが、日本市場向けにはモバイル仕様のポータブルスマートスピーカーのラインアップはない。そこでSonosの新製品「Sonos Roam」(ソノス ローム)が有力な候補になるだろう。


米国カリフォルニア発のオーディオブランド「Sonos」は、サウンドをあらゆる場所で体験できるポータブルスマートスピーカー「Sonos Roam」を、Sonos公式サイトとヨドバシカメラで8月20日(金)から先行予約を開始することを発表した。販売は30日(月)からを予定している。サイズはペットボトル程度、重量は430gと軽く、持ち歩きにも苦にならない設計を意識した。Wi-Fi、Bluetooth、Apple AirPlay2、Amazon Alexa等にも対応している。価格は23,800円(税込)。カラーはシャドーブラックとルナーホワイトの2色展開。

ポータブルスマートスピーカー「Sonos Roam」。サイズは168x62x60mm、重さは0.43kg、Alexaの音声指示に対応。IP67規格に準拠した防塵・防水仕様。カラバリは、シャドーブラックとルナーホワイトの2色展開。

コンパクト設計ながら、高音質を実現している

■ 「Sonos Roam」イメージ動画




日本はサブスクよりCDの方が多い最期の国

発売に伴い、オンラインで報道関係者向けの製品発表会を開催、東京とカリフォルニアから製品の特徴やメリットを解説した。

Sonos Japan カントリー ジェネラル マネージャー 瀬戸和信氏

瀬戸氏はSONOSが日本市場に参入して3年が経過したことを振り返り、「日本人の91%が音楽が大好き、音楽が何より大切な存在、と語っている」とし、「コロナ禍で音楽を聴く時間が膨大に増えた」と分析した。その一方で「日本人の多くはYouTubeをスマホで聴いている」「世界的にみて日本は2番目に大きな音楽大国と言える。未だ楽曲の売上げの半分以上がCDであり、先進国の中ではサブスクよりCDの方が多い最期の国」と続けた。「日本では音楽のサブスクサービスへの移行のまっただ中。2018年は1500万人だったのが、2021年は2500万人に増え、日本人の人口カバー率の2割に達している」と語り、このトレンドに適用し、サブスク専用スピーカーとしてもSONOSには大きなチャンスがあり、日本市場に向けてもっと高品質に音楽を聴くことを提案していきたいと語った。


ダンスアーティストのMiyuさんが登場

また、世界で活躍しているダンスアーティストのMiyuさんが登場。「Sonos Roam」の革新性と自由さをダンスパフォーマンスで表現すると共に、トークセッションでポータブルスマートスピーカーの魅力を語った(記事の末尾にパフォーマンス画像を掲載)。

ダンスアーティストのMiyuさんがパフォーマンスを披露

瀬戸氏とMiyuさんのトークセッションの様子


ポータブルスマートスピーカー「Sonos Roam」とは

「Sonos Roam」は米国で2021年3月10日に発表され、グローバルでは販売されているポータブルスマートスピーカー。日本での発売が決定し、今回の発表となった。
最大の特徴はバッテリーを搭載し、自宅だけでなく、庭や公演など様々な場所でサウンドを楽しめること。防塵・防水(IP67規格に準拠)機能も備えているので、ビーチやプールサイド、浴室でも利用できるだろう。

Sonos Roamの丸みを帯びた三角形のフォルムは、持ち運びしやすく、インテリアにも馴染む。ただ最大の特徴は屋内外のどこででもサウンドが楽しめるところ

IP67規格に準拠した防塵・防水仕様


最高営業責任者からのメッセージ

発表会の冒頭ではSonosの最高営業責任者、マシュー・シーゲル氏がビデオメッセージで登壇した。シーゲル氏は「コロナ感染症の流行によって、3つのマクロトレンドで、10年分の変化が数ヶ月のうちに起こった」とした。3つのトレンドとは「音楽ストリーミングの黄金時代が到来した」「家庭が映画館になった」「どこでも働くことができる柔軟性を得た」こと。アジア太平洋地域はこれらの変化と成長が大きく、SONOSにとって重要な市場となっている、と続けた。

Sonos 最高営業責任者、マシュー・シーゲル氏

シーゲル氏は、日本市場はストリーミングに急速に移行していて、前年比で30%以上の伸びがあり、高品質な音楽が求められる傾向にある、と強調、SONOSシリーズを推し進めたい考えを示した。


どこでも最適なパフォーマンスを発揮する「Trueplay」

「Sonos Roam」の特徴は、シリコンバレーから参加したシモンズ氏が解説した。

Sonos プロダクト マーケティング マネージャー、ハッドレー・シモンズ氏

Sonos Roamにはユニークな「Trueplay」機能が装備されている。この機能は置かれた場所をスピーカー自身が自動で判断し、最適な音質に自動チューニングする機能だ。同社は「聴いている場所やコンテンツに最適なリスニング体験を実現する」としている。


Trueplay自動チューニングの技術的なしくみは、Sonos Roamは自身で音を発し、搭載したマイクでそれを拾い、反響の状態を見て空間や環境を認識する。また、Wi-FiだけでなくBluetoothでも利用できるようになった。これにより、Sonos Roamはポータブルスピーカーでありながら、外でも周辺環境に合わせて常時自動的にチューニングされ、最適なサウンドが再生できるという。

ダンスアーティストのMiyuさんは「ダンスの音楽再生でいろいろな場所に持っていきたい。その際、置いた場所に合わせて自動でチューニングしてくれる機能はうれしい」と語った。





Wi-Fiとスマホ通信をシームレスに切替

自宅ではWi-Fiに接続して音楽をストリーミング再生し、そのまま持って出た外出先ではBluetoothに自動的に切り替わってスマートフォン経由で再生することができる。


また、新たに搭載された「Sound Swap」機能は、スピーカーの再生/一時停止ボタンを長押しすることで、再生中の音楽を一番近くにあるSonosシステムのスピーカーに切り替えて再生することができる。例えば、据え置き型SONOSスピーカーで再生している最中に、出かけるために「Sonos Roam」にスピーカーをスワップ、外出先から帰ると再び「Sonos Roam」から据え置き型にスワップして切り替えることなどが簡単に可能となっている。いわば音楽を部屋から部屋へ、部屋から外へとシームレスに移動できるイメージだ。


また、Sonos RoamをBluetoothでストリーミング中にSonosアプリを使用してSonosスピーカーとグループ化すると、BluetoothストリーミングをSonosシステム全体で楽しむことができるという。



面倒な充電は無線対応

1回のフル充電で最長10時間連続再生できる(目安)。使用していないときは最長10日間バッテリーを保持する。付属のUSB-Cケーブルに対応するほか、無線充電は「Qi」ワイヤレス充電器にも対応する。更に、カスタム設計のワイヤレス充電器(Sonosにて別売)も用意されている。シモンズ氏によれば「マグネット式」を採用しているので、Sonosを充電器に乗せるときに「カチッとピッタリ収まって気持ちが良い」という。


カスタム設計のワイヤレス充電器(Sonosにて別売)


多数のストリーミングサービスに対応

「Sonos Roam」を使って、日本では80以上のストリーミングサービスが利用できる。
Sonosアプリによる操作をはじめ、Amazon Alexaを使用した音声操作、Apple AirPlay 2、またはお気に入りの音楽配信サービスのアプリから直接操作することもできる。


グラミー賞受賞歴を誇るマスタリングエンジニアであり、Sonosサウンドボードの一員でもあるエミリー・レイザー氏は「Sonos Roamは、小型のポータブルスピーカーとは思えないほど、パワフルで本質的なサウンドを再生します。それは、無理のある人工的なサウンドではなく、その高度な技術的設計を体現するサウンドです。Sonos Roamは、ただメガホンのように大きな音を再生するのではなく、きめ細やかに調整された音を生み出すスピーカーとして、このクラスでは類のない製品です」と評価している。




​Sonos Roamの特徴のまとめ

・Sound Swap
新しく搭載されたSound Swap機能により、Sonos Roamの再生/一時停止ボタンを長押しすると、再生中の音楽を一番近くにあるSonosシステムのスピーカーに切り替えて再生することができ、聴いていた音楽を帰宅時も流し続けることができる。
・Trueplay機能
空間を認識し、サウンドを自動チューニングするTrueplay機能により、聴いている場所やコンテンツに最適なリスニング体験を実現。
・WiFiとBluetoothをシームレスに切り替え
WiFi圏内ではWiFiネットワークに接続し、圏外になるとBluetooth経由で自動的にスマートフォンとペアリング。
・IP67規格準拠の防塵・防水設計
IP67規格準拠の防塵・防水設計で、シリコン製のエンドキャップが不意の落下や持ち運び中の振動からスピーカーを保護。
・グループ化とペアリング
自宅でSonosシステムに接続すると、他のスピーカーとシームレスにグループ化できる。同じ部屋で2台のSonos Roamをステレオペアリングすると、広がりのある豊かなサウンドステージが実現。
・ストリーミングサービスの利用
Sonos S2 アプリ、Amazon Alexa、Apple AirPlay 2といった方法で、国内では80以上のストリーミングサービスを利用できる。お気に入りの音楽配信サービスのアプリから直接操作することも可能。



ダンスアーティストのMiyuさんのパフォーマンス

後半では世界で活躍しているダンスアーティストのMiyuさんが登場。「Sonos Roam」の革新性と自由さをダンスパフォーマンスで表現した。




2021年8月、「Sonos Roam」によって、どこででも音楽を高音質で楽しめる新しい体験が日本市場を席巻するかもしれない。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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