東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は国内のスタートアップ企業が中心であったオープンイノベーションの取り組みを海外に広げ、グローバルな共創活動を推進する。共創活動の第一弾として、シンガポールのスタートアップCrown Technologies Holding Pte. Ltd(以下、Crown社)と同社開発のロボバリスタ「Ella」(エラ)」を活用した無人化・省人化による新たなコーヒーサービスの実装に向け、東京駅および横浜駅でテストマーケティングを実施することを発表した。
同サービスにより、直面している飲食店舗のコスト構造改革や券売機跡地の利活用といった課題解決に繋げると共に、非接触・非対面の新たなサービスをユーザーに提供していく。
Crown社が開発したロボバリスタ「Ella」(エラ)について
Crown社が開発したロボバリスタ「Ella」(エラ)はバリスタが行う一連の作業を無人化する。“人手不足の解消”や利用者や回転率が低下することに伴う“飲食店舗の収支構造の改善”などの課題を解決するとともに、非接触・非対面というコロナ禍で高まったユーザーのニーズにも応える。
オーダー方法はCrown社開発のアプリを使い、時間無しでコーヒーを受け取れるモバイルオーダー(クレジットカード決済)と、Ellaに搭載されたタッチパネルからオーダーするタッチオーダー(交通系IC決済)の2種類。オーダーを受けると躍動するロボットアームと、その動きに応じた色鮮やかなLEDライトの演出で上質なコーヒーをユーザーに提供する。
東京駅と横浜駅でテストマーケティングを実施
ロボバリスタ「Ella」導入に伴うカフェオペレーションとサービス効果を検証するため、東京駅と横浜駅にてテストマーケティングを実施する。テストマーケティングは2021年12月を予定。テストマーケティング終了後はロイヤルカスタマー向けサービスとして、AI分析を使ってカスタマイズしたユーザー好みのコーヒーサービスを提供予定。また、JREパスポートの本格導入時にコーヒーサブスクリプションサービスとして提供するなど、より便利に、より手軽に利用できるよう更なるサービスの実現に向け、Crown社と日本法人の立ち上げを予定する。
シンガポールのスタートアップCrown社と連携
JR東日本はシンガポールで展開するオープンイノベーションプラットフォーム“One&Co”を活用し、“イノベーションテーマ”と“直面する課題”を組み合わせ、ソリューションを生み出す“海外スタートアップとの共創活動フロー”により、駅の持つ可能性をさらに拡げ、新たな収益確保と価値創造を実現する。
今回、このフローから導き出されたソリューション第一弾として、Crown社とエキナカで提供するコーヒーをより楽しく便利なものに進化させ、ユーザーのニーズや社会環境の変化に即した新しい駅の在り方を実現するための共創活動を実施する。今回のCrown社との共創活動では、コーヒー×デジタル×AIの観点でコーヒーサービスが直面している課題の解決とサービスレベルの向上に取り組む。狭小スペースでコーヒーサービスを可能とするロボバリスタの導入により、カフェ、待合室、券売機跡地など駅施設の配置や機能を見直し、限られた駅構内のスペースを有効活用することによってBeyond Stations構想で掲げる“これからの駅の姿”を実現していく。
Beyond Stations構想が目指す姿では駅を「交通の拠点」から「暮らしのプラットフォーム」へと転換する。ヒトの生活における「豊かさ」を起点として駅空間の配置と機能を変革するとともに、JRE POINT生活圏の拡充を通じ、ユーザーと暮らしを支えるサービス、地域・地方、デジタル、安全安心をつなぎ、さらにユーザー同士のつながりを創発することで、ユーザー一人一人の可能性を拡げ、JR東日本だからこそ提供できる「心豊かな生活」を実現していく。
ABOUT THE AUTHOR /
山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。