【世界初】寝ながら使うVRデバイス「HalfDive」登場 いったいどんなメリットがあるのかを解説
Diver-X株式会社は世界初となる、寝ながらの使用に最適化したVRデバイス「HalfDive」(ハーフダイブ)を発表した。同社は2021年11月6日からのクラウドファンディングサイトKickstarterを通じた支援者募集に向けた準備を進めている。
KickStarterでの価格はベーシックモデルが8万円程度、フルセットが12万円程度、可変焦点機能対応モデルが40万円程度。さらに、VR文化の振興を目的として活動するバーチャルライツと提携し、HalfDiveのユーザー体験会の実施やプレゼントキャンペーンを行っていく。体験会の実施形態や日時については、バーチャルライツ・Diver-Xそれぞれのtwitterや公式サイトを通じて行う予定。
最大約134度の超高視野角と鮮明な映像を実現
現行のVRヘッドマウントディスプレイ(以下、VR HMD)の殆どは動き回りながら使用することが想定されており、それ故に小型かつ軽量であることが求められている。しかし、その制約下ではハードウェアの進歩は半導体性能の向上に伴う解像度やトラッキング精度の向上などに留まっていた。それに対し、HalfDiveの最大の特徴は寝ながらの使用に最適化し、完全据え置き型のデバイスとすることで重量・サイズと機能・快適性のトレードオフを完全に克服し、小型・軽量化の方向性では到達が難しい性能・機能と快適性を両立する。
限られたスペースと重量の中で実装できる光学系には限界がある。HalfDiveはそれらの制約を乗り越え、合計10枚の非球面レンズを搭載し歪みやフレア・映像の劣化といった既存のフレネルレンズを用いた光学系の問題を解消しつつ、最大約134度の超高視野角と鮮明な映像を両立できる光学系を実現した。また、スペースの制約が少ないことを生かし、可変焦点機能にも対応している(可変焦点機能は最上位モデルにのみ搭載予定)。
HalfDiveの特長
球状の筐体を生かした、没入型サウンドシステム
頭全体を覆うことのできる球状の筐体内部に配置された合計4つのスピーカーを用い、良質かつ快適な没入サウンド体験を提供する。
据え置き型の筐体を生かした多数の感覚フィードバックシステム
頭部に搭載された2基のファンにより風フィードバックを行い、より没入感の高いVR体験を実現する。また、ファンには静音モードが存在し単純に風によって装着者の快適性を維持する為にも使用することができる。
ワイヤーを用いた力覚フィードバック
ワイヤーを用いた力覚フィードバックモジュールにより、VR空間内で物に触れる感覚や、剣で切った感覚、摩擦感などを表現し、ワンランク上の没入体験を提供する。
エキサイターを用いた振動フィードバック
エキサイターを用いた振動フィードバックにより、モンスターの足音や銃声、環境音をよりリアルに装着者に伝え、没入感を向上させる。
体が動かせない欠点を補うための足コントローラ&エミュレーションシステム
左右の足首の傾きによって、アバターの身体動作をエミュレーションし、寝ている状態であっても立っているのと同等以上の身体動作表現が可能。(足首の傾き具合に応じてしゃがむ)独自のドライバとエミュレーションにより、既存の全てのSteamVRコンテンツに対して互換性を持つ。
据え置き型である事を生かしたモジュラー&オープンソース設計
筐体側面には拡張モジュールを接続する為のRJ45端子とねじ穴が存在し、力覚フィードバックモジュールや今後発売予定の感覚フィードバックモジュール・無線通信モジュールなどを取り付けることができる。
また、モジュールの設計や通信プログラムはオープンソース化予定であり、サードパーティやユーザーが自身でモジュールの開発を行うことで、より質の高いVR体験の実現に向けたエコシステムの構築を目指す。
「HalfDive」(ハーフダイブ)のスペック
自由度 | 4.5dof |
---|---|
光学系 | 超美麗映像を実現できる、合計10枚の非球面レンズを用いた独自の光学系(可変焦点機能に対応) |
最大視野角 | 水平約134° |
解像度 | 片目1600x1440px 両目3200x1440px |
リフレッシュレート | 90Hz以上 |
ダイアル式物理IPD調節 | 58-82mm |
オーディオ | 4つのスピーカーを用いた没入型サウンドシステム |
マイク | 単一指向性コンデンサマイク |
コントローラ | 両手・足コントローラ |
トラッキング | LightHouse対応・足コントローラよるアバター動作エミュレーションシステム |
カメラ | キーボードオーバーレイシステム |
インターフェース | DisplayPort1.2・USB2.0/3.0・3.5mmオーディオジャック・12V電源・RJ45(I2C:モジュール接続) |
プラットフォーム | SteamVR完全対応(OpenVR・XR) |
SDK | Unity(VRchat専用機能あり)・UnrealEngine |
KickStarterでの価格 | ベーシックモデル(8万円程度)/フルセット(12万円程度)/可変焦点機能対応モデル(40万円程度) *ベーシックモデル:力覚・風フィードバックモジュールなし、振動フィードバックモジュールあり、キーボード用カメラあり、手コントローラあり、足コントローラなし *製品仕様・価格は予告なく変更される可能性がある。 |
HalfDiveにより実現する世界
リリースより引用
布団に入ったまま学校に行きたい、仕事を終わらせたい。誰しも一度は考えた事があると思います。HalfDiveは人が寝ながらという基底状態にいながらにして最大限の生産・体験ができる未来を実現します。完全据え置き型という時代に逆行した、寝ながらに最適化しているからこその長所を最大限に生かし、これまで小型化軽量化のトレードオフの中で切り捨てられきた多くの機能やインターフェイスを実装し、新たな体験を生み出すことを目指します。
Diver-X代表取締役 兼 HalfDive開発者 迫田氏は以下のようにコメントしている。
私は市場が物理ベースの現実との身体同期を重要視する今の方向性で進む限り、普及は難しいと考えています。なぜなら、そもそもVRという概念と現実の物理法則に基づいた情報入力・体験が背反するものであると私は考えるからです。つまり、デバイスがどんなに高性能・小型軽量・低価格化したとしても、その体験は物理法則に囚われるため「VRで(だからこそ)出来ること」は既に頭打ちではないかということです。それはこの数年で一般的に「VRのキラーコンテンツ」と呼ばれるものが片手で数えられる程しか出ていない事実が物語っていると思います。スマートフォンも普及してからかなりの年月が経ちましたが、処理性能や解像度の進化があるだけで、本質的な使われ方は殆ど変化していないと私は考えています。
HalfDiveは単なるVRデバイスではありません。物理法則に基づいた身体性を克服し、真のVRを実現することのできるSuper-Computer Interface(の卵)です。Diver-Xは既に、横になっている姿勢で立っていると錯覚させることのできる装置や、現実で体を動かさずとも動かしていると錯覚させることのできる装置、寝ながらの使用に最適化した文字時入力装置などの開発を進めています。
Kickstarterでのファンディングを通じ、この未来の実現速度をより速めたいと考えています。
ご支援よろしくお願いします!
DEEPCOERから3,000万円の資金調達を実施
Diver-XはDEEPCOREを引受先とする、第三者割当増資により3,000万円の資金調達を実施した。
DEEPCORE Senior Investment Director 左 英樹氏
VR/ARデバイス市場は世界的に拡大傾向が続いており、今後ますます多様なヘッドセットや関連機器、ソフトウェアの出現が予想されます、その大きなトレンドの中で、同社が開発しているVRデバイス及び関連ソフトウェアが、既存のVRユーザーや、新たなVR機器の使い方としてVRに触れたことのない一般ユーザーに浸透し、人々のライフスタイル・ワーキングスタイルを新たに変革させることを期待しています。これからの同社の成長をサポートしていきます。
バーチャルライツと提携
VR文化の振興を目的として活動するバーチャルライツと提携し、HalfDiveのユーザー体験会の実施やプレゼントキャンペーンを行っていく。体験会の実施形態や日時については、バーチャルライツ・Diver-Xそれぞれのtwitterや公式サイトを通じて行う予定。
NPO法人バーチャルライツ代表 國武氏からのコメント
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。