株式会社NTTドコモと東急バス株式会社は、バス車内の混雑緩和に向けた人々の行動変容を促す実証実験を行なっている。
第1弾として、2021年3月にバス停留所のデジタルサイネージへ「ナッジ」を活用したメッセージ配信を行なっており、今回、第2弾として、東急バスを利用する人向けの実証実験用アプリ「バス快適乗車案内」を2021年9月16日から12月23日まで提供することを発表した。空いているバスをアプリでおすすめし、混雑したバスを見送るとdポイントを進呈するお得なサービスも追加した。
「新たな生活様式」の実践として、人々の密集や混雑の回避が求められる現状では、特定のバス車両に乗客が集中することで、各バス車内の混雑度にバラつきが生じるといった課題が生じており、両社は、同実証実験では東京都と神奈川県の東急バスの一部路線に乗車する同アプリ利用者へ混雑回避を促すことでバス車内の混雑平準化をめざすと述べている。
混雑バスを見送るとdポイントもらえる
同実証実験用アプリは、バス停で乗車を見送れば混雑度の低い「おすすめバス」が数分で到着すると見込まれる場合、それをプッシュ通知でアプリ利用者のスマートフォンに知らせる。このプッシュ通知に従って混雑しているバスの乗車を見送った人に、dポイント(期間・用途限定)を進呈するというものだ。「おすすめバス」への乗車を案内する際には、ドコモが実用化に向けて検討を進めている行動経済学の「ナッジ」を活用したメッセージを配信。人々の潜在ニーズに働き掛けることで、同アプリ利用者が混雑を避け、少しでも快適にバス移動ができるよう後押しする。
「ナッジ」とは、人々にちょっとしたきっかけを与えて、行動を変えてもらうことを促す行動経済学の理論であり、人々が自身にとってより良い行動(例:健康促進、疾病予防)を自発的に選択できるよう促す取組みを指す。人々の行動変容を促す上で費用対効果が高く、近年、世界的に注目を集めている。
混雑度に合わせてメッセージを配信
同実証実験では、「ナッジ」を活用したメッセージを配信することで、混雑したバスの乗車を見送るなど、利用者の行動を変えるきっかけとしての効果を検証することを目的としている。同アプリの提供により、利用者一人一人の状況やバスの混雑度に合わせてメッセージを配信可能であるため、実験の第1弾で行なった、バス停のデジタルサイネージへメッセージを配信した第1弾の実験よりも、高い混雑緩和効果が期待される。
リアルタイム運行状況も活用
同アプリでは「おすすめバス」の案内だけでなく、東急バスが保有するリアルタイム運行情報を活用し、バス停への接近情報やバス車内の混雑情報をリアルタイムに把握できる。現在の混雑情報に基づいて、同アプリ利用者が混雑を回避して、より安心・快適な移動手段を選択することも可能だ。
今後の計画
車内混雑が予想される時間帯に、周辺施設へ来店を促すメッセージ配信も、計画している。
▼「バス快適乗車案内」アプリ
アプリ名 | バス快適乗車案内 |
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提供料金 | 無料※別途、パケット通信料がかかります。 |
提供期間 | 2021年9月16日(木)~ 2021年12月23日(木)※提供期間は、現状での予定であり、予告なく変更する場合があります。 |
提供エリア | 東急バスの一部路線 ・渋谷駅発着(渋05・11・12・21・22・23・24・31・32・41・51・55・82) ・目黒駅発着(黒01・02・06・07・09・東98) ・たまプラーザ駅発着(た26・31・41・51・63・71・柿01) ・あざみ野駅発着(あ24・27・28・29・新23) |
対象OS | iOS:iOSバージョン12以上 Android:Android OSバージョン6.0以上 |
プッシュ通知条件 | ・「バス快適乗車案内」アプリダウンロード後、「おすすめバス案内あり」と記載された対象バス停(下記、提供エリア画像参照)を事前登録。 ・上記の対象バス停に立ち寄り、少し待つと混雑度が低いバスが到着する際にプッシュ通知する。 ※利用の際はGPSの設定を有効にする ※dアカウントを事前登録する必要がある |
dポイント進呈条件 | 「おすすめバス」のプッシュ通知に従い、混雑しているバスの乗車を見送った人に後日、dポイント(期間・用途限定)を進呈する ※ポイントは、進呈条件を満たした翌月末までに、「おすすめバス」の通知を受けたスマートフォンに紐づくdアカウントに進呈 ※dポイント(期間・用途限定)の有効期間は、ポイント進呈日から6ヶ月 ※エントリー不要 ※詳細は同アプリ内の「ご利用ガイド」にて確認できる |