ソフトバンクがAlphabetの子会社「Loon」からHAPS成層圏通信の特許 約200件を取得 気球の高高度飛行体通信技術をHAPSに活用

ソフトバンク株式会社は、米Alphabet Inc.の子会社であるLoon LLCが保有する成層圏通信プラットフォーム「HAPS」(High Altitude Platform Station)に関する特許約200件(特許出願中を含む)を取得することで合意したことを発表した。

Loonは、Googleを傘下に持つAlphabetグループで、気球を高く飛ばしてインターネット(モバイル)通信を提供する成層圏ネットワークを提供することで注目されていたが、気球のプロジェクトは頓挫した。

今回、ソフトバンクが取得した特許は、HAPSのネットワーク技術やサービス、運用、航空機などに関するもの。この取得により、ソフトバンクとその子会社であるHAPSモバイル株式会社(HAPSモバイル)がすでに保有する、HAPSに関わる独自の特許と合わせると約500件(特許出願中を含む)となり、HAPS業界で最大規模の特許数を保有する企業になる。

同社は「ソフトバンクとHAPSモバイルは、HAPSに関する膨大な特許ポートフォリオを活用して、HAPSの商用化に向けた準備をさらに加速させていきます。またソフトバンクとHAPSモバイルは、HAPSエコシステムの実現を目指す業界団体「HAPSアライアンス」の創設メンバーとして、HAPSの知的財産権ポートフォリオを活用し、HAPS業界の標準化と相互接続などを推進していきます」とコメント。


「HAPSアライアンス」とHAPSモバイル

「HAPSアライアンス」の参画企業・団体数は44社となっている(2021年9月30日現在)。
HAPSモバイルとLoonは、2019年4月にHAPSの利用促進のための戦略的関係を結び、さまざまな分野で協力してきた。2020年2月には「HAPSアライアンス」を設立し、成層圏対応の通信機器(ペイロード)の開発などを共同で実施した。
2020年9月には、HAPSモバイルが独自に開発した無人航空機「Sunglider」(サングライダー)の5度目のテストフライトで、成層圏での試験飛行に成功した他、共同開発した通信機器を活用して成層圏からのLTE通信にも成功した。自律型航空式のHAPSで、成層圏からLTE通信に成功したのは世界で初めての事例となった。

「今後、ソフトバンクとHAPSモバイルは、Loonのイノベーションと技術を継承して、HAPSの商用化に向けた取り組みをさらに加速させるとともに、HAPSアライアンスを通じて業界全体の発展に貢献していきます」と続けている。

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ロボスタ編集部

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